中山記念

中山競馬場2日目11R
第95回
中山記念
芝 1800m/GⅡ/4歳上/国際/別定


【事前情報ランクM】


昨年はラッキーライラック、ソウルスターリング、インディチャンプ、ペルシアンナイト、ウインブライトという5頭のGⅠ馬を相手にダノンキングリーが圧勝。一昨年はラッキーライラック、ステルヴィオ、スワーヴリチャード、エポカドーロ、ディアドラという顔ぶれの5頭のGⅠ馬を、まだGⅠ馬ではなかったウインブライトが破った。
この2年だけを振り返っても明らかなように、近年の中山記念は大阪杯やドバイ、香港を狙う馬のための前哨戦という意味合いが強まっていた。2010年代はドゥラメンテ、ヌーヴォレコルト、ジャスタウェイ、ヴィクトワールピサといった馬も年明け初戦に選んで勝っている。
ところが、今年はGⅠ馬がゼロかつ2014年以来となる15頭立て(ブラックバゴが枠順確定前に取り消して14頭立てに)。GⅠ寄りのGⅡではなく、GⅢ寄りのGⅡという雰囲気。それこそ、カンパニーやローエングリンやバランスオブゲームといった中山巧者が躍動していた時代の中山記念が帰ってきたという印象を受ける。
このメンバーなら、当然どの陣営も「今年だったらウチの馬でも勝てる」と色気十分。どの馬も勝ちを意識しての騎乗で激戦になることが予想される。土曜日は開幕週の良馬場を味方に付けた先行馬の活躍が目立ったが、馬場だけでなく展開もよく見極めたい。
来週の中山は土曜日が高松宮記念の前哨戦となるオーシャンS、日曜日が皐月賞トライアルの弥生賞ディープ記念。先週フェブラリーSが終わったところだが、本格的なGⅠシーズンの足音は近付いている。




1枠1番
トーセンスーリヤ
牡6/56.0kg 
横山和生/小野次郎
騎手厩舎連対率:26.6%
中山芝:2-1-1-4 
芝1800m:3-6-3-5 
最高タイム:1.45.9
《期待値65%》

2勝クラスと3勝クラスをいずれも今回と同じ中山芝1800mで勝っている小野次郎厩舎トーセンスーリヤ。2勝クラスを勝った時の1分47秒4という中山芝1800mの持ち時計は今回のメンバーでは最速。土曜メインの3勝クラスでは1分31秒8という好時計が出ており、今週の中山は一昔前の開幕週が戻ってきたような内有利&高速馬場。この馬のスピード、先行力、そして最内枠はプラスに働くだろう。
横山和生騎手は今開催の小倉だけで9勝を挙げ、美浦リーディング5位。なんと横山武史騎手を上回っている。これは、週半ばは栗東で関西馬の調教を付け、週末は小倉でレースに騎乗という形で騎乗馬を集め、好循環に繋げているから。小倉リーディングは3位で、逆転の可能性もあった。そんな横山和生騎手が、日曜日はトーセンスーリヤのために中山で騎乗する。
小野次郎厩舎も好調で、今年は土曜日終了時点で9勝を挙げて美浦リーディング5位。昨年は年間15勝、一昨年は年間で9勝だった厩舎が2か月で9勝と考えると信じ難い勢いだ。トーセンスーリヤは厩舎に初の重賞勝利をもたらした馬でもある。
トーセンスーリヤの父ローエングリンは中山記念を2勝。横山和生騎手に合わせるなら小倉大賞典を使っても良かったが、中山記念を選んだのは過去の実績や血統面での期待があるからだろう。
以上、今回はあらゆる点で“勢い”があるのがトーセンスーリヤ。例年ならGⅠ馬が多く参戦し、こういう馬は「この相手にどれだけ通用するか」というトーンになるが、今年はディセンバーSや中山金杯の延長のようなメンバー。トーセンスーリヤ自身、重賞ウィナーなので格負けはない。


3枠4番
ケイデンスコール
牡5/56.0kg 
岩田康誠/安田隆行
騎手厩舎連対率:33.3%
中山芝:未経験 
芝1800m:0-0-0-1 
最高タイム:1.47.4
《期待値60%》

今年の中山記念には東西金杯の勝ち馬がダブル参戦。1800mはマイラーと中距離馬がぶつかる舞台と良く言われるが、同年の中山金杯、京都金杯の勝ち馬がどちらも出走するという形は珍しい。ケイデンスコールは京都金杯が約2年半ぶりの勝利で12番人気の大穴だった。
「左回りのワンターンにこだわって復活を待っていた馬だし、前走は馬場を読んで鞍上が完璧に乗った。2年ぶりの右回りも中山の小回りコースも合っているとは思えない」と情報筋は中山記念への出走に懐疑的だが、条件面はともかくデキに関しては「前走の勝利で馬が自信を取り戻したのか、この中間は今まで以上の活気で動けている」とのことで、自信を持てるレベルにあるようだ。
ちなみに、ケイデンスコールの母インダクティの兄はバランスオブゲーム。2005年~2006年の中山記念を連覇している。母の弟フェイムゲームはダイヤモンドS3勝の実績があり、ケイデンスコール自身は重賞連対が全て左回りのマイル戦。この一族はそれぞれ尖った適性があるのかもしれない。


5枠7番
バビット
牡4/56.0kg 
内田博幸/浜田多実雄
騎手厩舎連対率:18.2%
中山芝:1-0-0-1 
芝1800m:2-1-0-0 
最高タイム:1.47.3
《期待値65%》

未勝利戦から早苗賞、ラジオNIKKEI賞、セントライト記念まで4連勝を果たし、菊花賞では3番人気となってコントレイルの三冠達成を盛り上げるのに一役買う形となった個性派バビット。有馬記念はハナを切って13着という結果に終わったが、早苗賞とラジオNIKKEI賞を勝った1800mで再起を図る。
「菊花賞と有馬記念は距離が長かった。相手も強かったし、結果に関しては納得している」と厩舎サイドは前向き。「それに、気が勝っていてヤンチャなところがある馬が、ここ2戦は妙に大人しかった。当時は精神的に成長していたように見えて、これなら長い距離でもと期待したが…」という話も。この中間はバビットらしいうるささが戻り、連勝中と似たような雰囲気になってきているそうだ。
土曜日の中山芝は、逃げ馬は勝てなかったものの内有利、先行有利、時計勝負という傾向は明らかだった。今年のメンバーでバビットくらいの地力がある馬がハナを切れば、そのまま押し切れる可能性は少なくない。


5枠8番
ヒシイグアス
牡5/56.0kg 
松山弘平/堀宣行
騎手厩舎連対率:55.6%
中山芝:3-2-0-1 
芝1800m:2-3-0-2 
最高タイム:1.48.0
《期待値65%》

3連勝で中山金杯を制し、本格化という言葉がピタリと当てはまるのが堀宣行厩舎ヒシイグアス。連対を外したのは3歳時に走った重賞だけで、古馬になってからは大切に使われながら一度も連対を外していない。さすが1億円のハーツクライ産駒という成長曲線を描いている。
「中山金杯の後はこのレースを目標に在厩で調整。冬場は太りやすい馬なので、手元に置いて調整できたのは良かった」と厩舎スタッフ。この中間は走りの左右のバランスを良くしたり、トモの緩さを鍛えたりといった課題に取り組んできたそうだ。最終追い切りは満足な動きを披露している。
今年はGⅠの叩き台として出走するような実績馬がおらず、上がり馬のヒシイグアスがそのまま今回もレースの主役。松山弘平騎手もヒシイグアスとともに今年の重賞2勝目を狙う。


6枠9番
サンアップルトン
牡5/56.0kg 
柴田善臣/中野栄治
騎手厩舎連対率:24.0%
中山芝:2-1-0-4 
芝1800m:0-0-0-1 
最高タイム:1.51.8
《期待値60%》

先週のダイヤモンドSを2/3の抽選で除外されてしまい、1週スライドして中山記念に向かうことになった中野栄治厩舎サンアップルトン。中山コース自体は得意だが、3400mのダイヤモンドSを使おうとしていたように長めの距離にこだわってローテを組んできた馬。今回は新馬戦以来となる1800mが一つの課題となりそうだ。
「状態的には1週待ったことで先週よりも上向いた感じがある。心肺機能が良いので長い距離を使ってきたが、この距離を走るスピードが無いわけではない。どんな距離でも良馬場なら勝負になると思う」と関係者は前向き。柴田善臣騎手も怪我を抱えながら先週、今週土曜と勝利している。



7枠11番
クラージュゲリエ
牡5/56.0kg 
ルメール/池江泰寿
騎手厩舎連対率:40.0%
中山芝:0-0-0-1 
芝1800m:1-0-2-1 
最高タイム:1.46.6
《期待値60%》

昨秋に長期休養から復帰し、カシオペアSこそ10着に敗れたものの、その後はアンドロメダS2着、日経新春杯3着と調子を上げてきている池江泰寿厩舎クラージュゲリエ。クラシック路線でも大崩れなく走り続けた実力馬で、厩舎サイドも今回は「久々に勝たせてやりたい」と気合が入っている。
今回はルメール騎手を押さえての出走となったが、実は特別登録の段階では除外対象。オウケンムーンが挫跖、ビターエンダーが骨折で回避し、キングニミッツが土曜日のダート戦に回ったことで出走できることになった。なお、ブラックバゴが感冒で取り消したため、レースは14頭立てになっている。
「前走は発走前に蹄鉄の打ち替えがあったし、左回りでモタれて走っていた。それでも3着に来られたように着実にデキは戻っているし、この舞台の方が競馬はしやすそうなので前走以上がある」と自信あり。ルメール騎手は土曜日サッパリだったが、こういう時は日曜日に乗り方を変えて固め打ちしてくることが少なくない。


8枠13番
ウインイクシード
牡7/56.0kg 
横山武史/鈴木伸尋
騎手厩舎連対率:13.1%
中山芝:2-4-2-4 
芝1800m:1-2-1-3 
最高タイム:1.46.4
《期待値60%》

中山記念は2018年、2019年とウインブライトが連覇。土曜日の中山メイン幕張Sはウインカーネリアンが圧勝した。小回り中山では「マイネル」や「ウイン」という考え方はまだ活きている。そして、ウインイクシードも戦績通りの中山巧者・小回り巧者。ウインブライトほどの大物感はないが、今年のメンバーなら食い込みがあって驚けない。
前走の中山金杯は勝ったかと思わせる抜け出しを見せるも、ゴール前で甘くなって3着。「重賞ではどうしてもワンパンチ足りない」とは陣営も認めるところだが、中山では立ち回りの上手さでなかなか大崩れしない。横山武史騎手は久々の騎乗だが個性は掴んでおり、ロスを最小限にすることを心掛けて乗るという。
鈴木伸尋師は「年齢的にもこの馬が重賞を勝てるとしたら今年いっぱいだろうな」とコメント。七夕賞や福島記念といった福島の重賞にも色気はあるが、今年は中山記念がこういうメンバーだけに、上手くいけば勝ち負けという手応えを感じているか。



スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する