フェアリーS

中山競馬場4日目11R
第37回
フェアリーS
芝 1600m/GⅢ/3歳/牝馬/国際/別定


【事前情報ランクM】


3日間開催最終日の中山で行われる3歳牝馬限定重賞フェアリーS。強い牝馬はフェアリーSではなくシンザン記念に行ってしまうことや、時期的なもので1勝馬ばかりのメンバー構成になることが多いため、1200mから1600mに条件が変わった後もフェアリーSの勝ち馬が春クラシックで活躍することはほとんどなかった。むしろ2~3着に負けた方が将来がある、と言われていたほどだ。ただ、昨年は勝ち馬スマイルカナが桜花賞で3着に好走し、古馬相手のレースでも結果を残し続けている。去年を境にレースの価値は変わるだろうか。
今年はラストリージョ以外の15頭が収得賞金400万円の1勝馬で、唯一賞金を持っているラストリージョも近走はダートを使っている馬。ほぼ1勝クラスの条件戦と同じだと考えていい。メンバーレベルが高くなく、中山マイルでの牝馬限定戦となるとイメージ通り波乱になることが多く、1番人気馬は過去10年で[2-1-0-8]と信頼度が低い。
1番人気濃厚のテンハッピーローズに騎乗する福永祐一騎手は日曜日のシンザン記念を勝利。一方、前日オッズで2番人気のファインルージュに騎乗するルメール騎手はシンザン記念で1番人気ククナに乗って4着に負けている。シンザン記念からの連勝か?それともシンザン記念のリベンジか?その辺りもポイントになりそうだ。
来週の中山では引き続き3歳重賞。牡牝混合の芝2000m戦・京成杯が行われる。ここも賞金上位馬の出走はあまりなさそうだが、良血馬グラティアスや前走が圧巻だったタイムトゥヘヴンが中心になるだろう。




3枠5番
クールキャット
牝3/54.0kg 
津村明秀/奥村武
騎手厩舎連対率:15.4%
中山芝:未経験 
芝1600m:0-0-0-1 
最高タイム:1.35.5
《期待値60%》

6月東京の新馬戦を一発で勝ち上がり、夏場はゆったりと成長放牧。2戦目のアルテミスSはソダシと0秒6差、今回対戦するテンハッピーローズとは0秒2差の5着に善戦した。休養を挟んでもう一度重賞にチャレンジしているように関係者の期待度は高い馬で、今回はかなり厩舎や周辺関係者のトーンが高い。
新馬勝ちは1400m戦だったが、これはクラブの馬やルメール騎手の予定に合わせての使い分けのため。兄にトリオンフがいる血統で、本当は「マイルでも短いくらい」と考えているようだ。今はなかなか長い距離の番組がないので再びマイルのフェアリーSだが、春以降はもっと長い距離のレースにシフトしていく可能性もあるだろう。
状態はデビュー3戦目で一番のようで、「この中間に休ませてアルテミスSの時より断然良くなっている」と厩舎サイドもデキの良さに太鼓判。調教で動いているだけでなく、成長して体全体のバランスが良くなっているそうだ。津村騎手も「これくらいの相手なら勝負になる」と強気で、実はアルテミスSの時には「ルメールも勿体ないことをした。コレは相当良い馬だよ」と言っていたほど評価している。


3枠6番
ネクストストーリー
牝3/54.0kg 
杉原誠人/中川公成
騎手厩舎連対率:22.2%
中山芝:未経験 
芝1600m:未経験 
《期待値55%》

初勝利を挙げたのが秋のローカル福島1200mでマイル戦は今回が初めて、さらにはミルファームの馬ということで重賞になるとどうしても注目度が低くなる中川公成厩舎ネクストストーリーだが、実は厩舎や周辺の関係者の間では「この世代の隠し玉」と言われている素質の持ち主。人気がなくても注意しておいた方が良さそうだ。
前走は中京のつわぶき賞で2着。「直線でコロコロと手前を換えながらでも2着に来たように、やっぱり能力がある」と陣営はレースを評価している。「掛かる馬じゃないので距離延長は問題ないし、立ち回りが上手いので中山も合っている」と、今回も上位進出を狙っている。
父はジョーカプチーノ。自身は中山マイルの重賞ニュージーランドTで3着があり、産駒唯一の重賞ウィナーであるジョーストリクトリはニュージーランドTを勝っている。母パドブレはデビューから2連勝でダリア賞勝ち。血統的にもフェアリーSくらいのレースはいかにも合いそうな雰囲気がある。


4枠7番
タイニーロマンス
牝3/54.0kg 
内田博幸/金成貴史
騎手厩舎連対率:10.0%
中山芝:未経験 
芝1600m:1-0-0-0 
最高タイム:1.38.1
《期待値60%》

金成貴史厩舎はベッラノーヴァとタイニーロマンスの2頭出し。ベッラノーヴァも悪い話はないが、厩舎サイドは「2頭を比較すると今回はこっちが上」とタイニーロマンスの方により色気を持っているようだ。
11月1日に東京マイルの新馬戦を勝ち上がり、今回はキャリア2戦目での重賞挑戦。「勝った後は山元トレセンに出して休ませていたが、良い状態で戻ってきた。大型馬だけど重苦しさがなくて仕上げやすいし、中間の調教では古馬相手に互角以上の動きを続けている。色々と未知数な部分はあるけど能力は通用しそうだよ」と厩舎スタッフのトーンは前向き。
新馬戦は人気薄だったが、これは他のデビュー馬が豪華だったからで、厩舎としてはデビュー前から期待していた1頭。兄にダイワキャグニー、ミエノワンダーらがいる良血馬でもあり、ほぼ全馬1勝馬という組み合わせなら十分戦える。



4枠8番
テンハッピーローズ
牝3/54.0kg 
福永祐一/高柳大輔
騎手厩舎連対率:66.7%
中山芝:0-1-0-0 
芝1600m:0-1-1-0 
最高タイム:1.35.3
《期待値60%》

サフラン賞ではサトノレイナスの2着、アルテミスSではソダシ、ククナに続く3着ということで1勝馬ながらここでは実績が抜けている印象の高柳大輔厩舎テンハッピーローズ。関西圏のシンザン記念ではなく中山遠征となるフェアリーSを選んだのは、中山を経験済みということもあるが、やはり相手関係を考えて「確実に賞金加算できる方を選んだ」というところだろう。
「帰厩してからのカイ食いがいいし、落ち着きもある。最低でも2着だが、できれば勝って気持ちよく次に進みたい」と厩舎サイドは自信満々。「戦ってきた相手が違うし、ジョッキーが普通に捌いてくれれば大丈夫だろう」とのことだ。ちなみに、サフラン賞の時は尻尾を振ったり外に逃げたりと幼さを見せていたが、今は調教でもそういう面は無いという。
高柳大輔調教師は今回「人気のある馬で大きなところに行きたい」と抱負を語っていたそうだ。勝ち星は徐々に伸ばしていてOP馬も3頭管理しているが、重賞は未勝利でGⅠは出走経験なし。今はテンハッピーローズに重賞初勝利、GⅠ初参戦の期待が掛かっている。


5枠9番
ファインルージュ
牝3/54.0kg 
ルメール/木村哲也
騎手厩舎連対率:47.8%
中山芝:未経験 
芝1600m:未経験 
《期待値55%》

2戦目の未勝利戦を2馬身差で勝ち上がった木村哲也厩舎ファインルージュ。鞍上は前走に続いてルメール騎手が騎乗する。オーナーの六井元一氏はファインルージュが初めての所有馬。2018年のセレクトセールで3564万円で購買したノーザンファーム生産馬で、近親にはザラストロやプレノタートがいる。
マイルは初めて、右回りの中山も初めてということで厩舎サイドは「今回はクラスが上がるし初めての部分も多い。試金石の一戦」と話しているが、未勝利勝ち後にここまで待ってルメール騎手を押さえて出走する辺り、ポテンシャルの高さに対する期待は持っているようだ。
前走は稍重だったので時計こそ平凡だが、直線で一度は詰まり気味になりながら最後の1ハロンだけで最内から2馬身突き抜けた末脚は見事。追い出しを待たされても一瞬でトップスピードに乗れる機動力の高さは東京よりも中山向きかもしれない。シンザン記念は残念な結果となったルメール騎手だが、こちらで新年初重賞となるか。


5枠10番
シャドウファックス
牝3/54.0kg 
大野拓弥/宮田敬介
騎手厩舎連対率:0.0%
中山芝:1-0-0-0 
芝1600m:1-0-0-1 
最高タイム:1.35.5
《期待値60%》

今年のメンバーでは唯一中山マイルでの勝ち鞍があるのが宮田敬介厩舎シャドウファックス。昨秋の中山最終日の新馬戦で2馬身半突き抜ける快勝だった。2戦目のアルテミスSは7着だったが、陣営は「広いコースのマイル戦ではスタミナが足りなかったが、一瞬の脚が持ち味なので中山なら大丈夫」と、新馬勝ちした条件に戻っての反撃を狙っている。
情報筋は「良い脚が長く続かないのはピッチ走法だから。アルテミスSも一瞬は勝ち馬に迫ったが、そこからが続かず下がっていってしまった」と前走の内容を振り返る。アルテミスSの後は中山を目標に仕上げ直しており、放牧効果で「数字は変わらないと思うけど、肩や腰の周りに丸みが出てきて競走馬らしくなってきた」と成長を示しているようだ。
宮田敬介厩舎はセラフィナイトもシンザン記念に出走させて5着。昨年のカペラSではダンシングプリンスがあと一歩の3着に健闘しており、預託馬のレベルを見ても重賞初勝利の瞬間は近付いていると考えていいだろう。重賞とはいえほぼ1勝馬同士の今回はチャンス。


6枠11番
オプティミスモ
牝3/54.0kg 
藤井勘一郎/石坂公一
騎手厩舎連対率:20.0%
中山芝:未経験 
芝1600m:未経験 
《期待値55%》

新馬戦が単勝97.1倍という大穴での勝利。それで2戦目のファンタジーSもブービー人気の単勝122.6倍だったが、ここも3着馬とはハナ差の4着に健闘した。正直なところデビュー前は厩舎でも「体力がない」「ギアが上がらない」と評価されていなかったが、2戦続けての好走でさすがに見方も変わってきた。スタッフは「実戦でここまで変わる馬も珍しい」と驚いているそうだ。
「今回も馬体はそれほど変わっていないが、小柄な馬なので減らなければ十分。やっと普段から競走馬らしさを見せるようになってきた」と陣営のトーンはここまでの2走に比べれば相当前向き。「初戦は先行、2戦目は追い込みで結果を出しているので位置取りにはこだわらない。レースに対する前向きさがあるのでトリッキーな中山でもこなせると思う」とのことだ。
鞍上の藤井勘一郎騎手は中央移籍最初の勝利が14番人気・単勝76.5倍の馬で、重賞初勝利が昨年のフラワーCのアブレイズで単勝79.3倍、さらに去年の4月には単勝276.2倍の馬でも勝っているという穴男。意外性を発揮してきたオプティミスモとのコンビは似合う。今回も人気が無ければ無いほど要注意か。



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