ステイヤーズS

中山競馬場1日目11R
第54回
ステイヤーズS
芝 3600m/GⅡ/3歳上/国際/別定


【事前情報ランクM】


冬の中山名物のマラソンレース。今の日本競馬では非常に特殊な条件なので高齢馬とリピーターが多い印象があるが、今年は過去のステイヤーズSに出走したことがある馬は3頭だけ。4~5歳馬の割合が多く、この路線も世代交代が進んでいる印象だ。ただし、ステイヤーズSを既に走ったことがある3頭は、言わずと知れたアルバート、2年前の勝ち馬リッジマン、昨年の4着馬メイショウテンゲンといずれも強力だ。
コースレコードは1994年にエアダブリンが記録した3分41秒6で、これが25年間破られていない。これだけ長い距離のレースだと、前半や中盤が緩んでしまうと最後にいくら余力があっても全体時計は出ないこともあるアルバートが3連覇した時の勝ち時計は3分45秒9→3分47秒4→3分43秒0とバラバラ。今回も道中のペースと仕掛けのタイミングによって、全体時計がどうなるか、直線の光景が「ラストスパート合戦」になるか「バテ合い、凌ぎ合い」になるかは大きく変わってきそうだ。
なお、ダンビュライトは木曜日に一旦出走が確定したが、左前脚のフレグモーネのため枠順確定前に出走取消となっている。松若風馬騎手が騎乗して逃げ候補の1頭だっただけに、この取消でレース展開も変わってくるのではないだろうか。




2枠2番
シルヴァンシャー
牡5/56.0kg 
戸崎圭太/池江泰寿
騎手厩舎連対率:42.9%
中山芝:未経験 
芝3600m:未経験 
《期待値60%》

サンデーレーシングの良血ディープ産駒で、前走は京都大賞典4着。昨年は京都大賞典3着の後に靭帯を痛めてしまい目標にしていたステイヤーズSへの出走が叶わなかったが、今年は京都大賞典後も順調に調整が進み、1年越しでこのレースに出られることとなった。
「春の天皇賞は熱発明けで調整不足だったので大差負けになってしまいましたが、スタミナ自体はあるのでこの距離は全く心配ありません」と厩舎サイド。「これまではレース後に骨折したり靭帯を痛めたりと反動が出やすいタイプでしたが、今回は何の不安もなく続戦できて叩いた上積みが大きいんです」とのことだ。
今回コンビを組む戸崎圭太騎手は昨年の御堂筋Sで騎乗経験があり、「仕掛けてからシュッと反応するタイプじゃないという課題はありますが、分かっていて乗るので上手くカバーしたいと思います。力は足りる馬ですし、チャンスはあると思って頑張ります」と、手応えは感じている様子。


2枠3番
ポンデザール
牝5/54.0kg 
ルメール/堀宣行
騎手厩舎連対率:52.2%
中山芝:0-0-0-1 
芝3600m:未経験 
《期待値65%》

今年のステイヤーズS唯一の牝馬で、5歳世代なのでアーモンドアイと同期。牝馬らしからぬ路線を歩んできたためアーモンドアイとの直接対決はなかったが、ラッキーライラックとは昨年のエリザベス女王杯、そして前走の札幌記念で対決している。
その札幌記念は上がり2位で4着。「2000mでは距離が短すぎたけど、最後は良く詰めてきた」と関係者が振り返るように、ポンデザールは過去5勝のうち4勝が北海道の芝2600mで、残りの1勝が新潟内回りの芝2400mという生粋の長距離馬。牝馬限定戦の枠にとどまっていては適条件がなく、今年は2200mのエリザベス女王杯すらも最初から眼中になかったという。
「ここは目指してきた舞台です」と厩舎筋は自信十分。「小回りが得意な馬だし、距離は延びれば延びるほど良い。帰厩時に熱発してしまい叩き台の予定だったアルゼンチン共和国杯を使えなかったが、ココ一本に絞ってジックリと調整したことで却って抜群のデキになった」とのことだ。
牝馬の好走はほとんど過去に例がないレースだが、それはそもそもこの路線を狙う強い牝馬がいなかったという事情がある。絶好調どころの勢いではないルメール騎手を背に、5歳牝馬がこのレースでも主役となるか。


3枠4番
ボスジラ
牡4/56.0kg 
横山武史/国枝栄
騎手厩舎連対率:29.4%
中山芝:1-1-0-2 
芝3600m:未経験 
《期待値60%》

兄に菊花賞3着馬ポポカテペトルや重賞ウィナーのマウントロブロンらがいる、金子オーナーの血統馬ボスジラ。3歳夏以降に連対したレースは全て2400m以上で、今年の春にはオープン入り初戦のレースとして阪神大賞典に挑戦するなど、国枝栄厩舎としても長距離適性を見込んでいる1頭。前走の丹頂Sを圧勝し、今回は横山武史騎手とのコンビ継続で未知の距離に挑む。
「アルゼンチン共和国杯を使う予定もあったけど、牧場で疲れがなかなか取れず放牧が延びたのでステイヤーズS直行になった」と関係者。ただ、怪我や脚部不安があった訳ではなく、帰厩してからは順調に乗り込まれている。
横山武史騎手は前走の勝利で良いイメージを掴んでおり「自分のしたいロングスパートに嵌まる」と評していたという。厩舎関係者も「さすがにこの距離はやってみないと分からないけど、従順で競馬に行っての立ち回りは上手いので、崩れる感じはしない」と前向きだった。


3枠5番
アルバート
牡9/56.0kg 
岩田康誠/橋口慎介
騎手厩舎連対率:40.0%
中山芝:3-1-0-6 
芝3600m:3-1-0-0 
最高タイム:3.43.0
《期待値60%》

2015年から2017年にステイヤーズSを3連覇。しかし、前人未踏の同一重賞4連覇を狙った2018年は勝利確実と言われながらまさかの出走取消。その後、屈腱炎が判明して堀厩舎は現役引退を勧めたものの、ステイヤーズSにこだわるオーナーが橋口慎介厩舎に転厩させて現役を続行。去年、そして今年と「ステイヤーズSを走るためだけに」現役を続けている。
昨年は屈腱炎からの復帰戦となった京都大賞典16着(後方のまま2秒8差)を叩いて、ステイヤーズで1番人気2着。今年も京都大賞典を始動戦に選び、昨年と同じように後ろを回ってきて2秒5差の17着だった。普通ならこんな走りをしている馬は買えないが、アルバートのステイヤーズSとなると話は別。京都大賞典が調教替わりであることは関係者誰もが承知のことだ。
「去年と同じ形だけど、去年よりデキはいいよ」と厩舎サイド。「去年は屈腱炎明けだったけど、今年は何の不安もない。このレースなので年齢は関係ないし、ここで走らなかったら何の意味もない馬だから」と、今年も結果は意識している様子だ。ちなみに、短期免許がおりていれば今年もマーフィー騎手が騎乗する予定だったという。


4枠6番
リッジマン
牡7/56.0kg 
古川吉洋/庄野靖志
騎手厩舎連対率:0.0%
中山芝:1-0-0-4 
芝3600m:1-0-0-1 
最高タイム:3.45.2
《期待値60%》

一昨年のステイヤーズSではアルバートの出走取消によって1番人気になり、その期待に応えて見事に勝利。しかし、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ昨年のステイヤーズSはいいところなく11着に敗れてしまった。それを含めて近走は4戦連続の2桁着順に終わっている。今回は得意舞台で復活が成るかどうかが焦点。
今年の秋の大きな変化は障害練習を取り入れていること。「障害練習の効果でトモがパンとしてきている。ここ数戦では明らかにデキが良いし、長距離戦は望むところ」と陣営のトーンは上向いている。「去年のこのレースは前半超スローからロングスパートの展開になって、スピード不足で付いて行けなかった。もっと消耗戦になれば巻き返せる」とのことで、展開次第ではチャンスが見えてくる。



4枠7番
メイショウテンゲン
牡4/56.0kg 
池添謙一/池添兼雄
騎手厩舎連対率:25.3%
中山芝:1-0-0-3 
芝3600m:0-0-0-1 
最高タイム:3.46.5
《期待値65%》

3000m以上の距離と道悪ではパフォーマンスが上がる池添兼雄厩舎メイショウテンゲン。ステイヤーズSは昨年4着に好走して復調のキッカケを掴むとともに古馬になってからの指針が決まった縁起の良いレース。今回も関係者のトーンは高い。
アルゼンチン共和国杯の17着は参考外。「デキが良すぎて、仕掛けてポジションを取りに行ったら馬が戸惑った。最後は流していたので着順と着差は関係ないし、この条件ならあんな負け方をする馬じゃない」と厩舎サイドは全く気にしていない。
「今回は1周目はジッと後ろにいてもらう。馬のリズムで上がっていけば最後まで良い脚を使えるし、どれだけ走ってもバテないスタミナはある馬」と関係者。ただ、連続での輸送競馬で馬体が減る心配だけはしていたので、当日の馬体重は要確認。


7枠13番
タガノディアマンテ
牡4/56.0kg 
津村明秀/鮫島一歩
騎手厩舎連対率:0.0%
中山芝:0-0-0-3 
芝3600m:未経験 
《期待値65%》

今年初戦の万葉Sを快勝し、ダイヤモンドSでは1番人気に推されていた鮫島一歩厩舎タガノディアマンテ。しかし、そこでは気の悪さと左回りの経験不足を露呈して大敗してしまい、3連単355万馬券の大波乱に逆の意味で貢献することに。今回はそれ以来の復帰戦となる。
この中間は2回ノドの手術をしていたようで、1回目の後は「効果が無かった。失敗した」と厩舎も落胆していたそうだが、2回目の手術は成功。今回の帰厩後は調教の担当が「ノドが全然鳴らなくなった」と実感していたそうだ。
また、今回は精神面のコントロールに重点を置いて仕上げていて、厩舎サイドは今回騎乗する津村明秀騎手に向けて「前走のようなことはない」と自信十分に託している。津村騎手自身も川田騎手と先週打ち合わせをしていたそうで、かなり色気を持っているようだ。




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