札幌2歳S

札幌競馬場7日目11R
第55回
札幌2歳S
芝 1800m/GⅢ/2歳/国際/馬齢


【事前情報ランクM】


一昔前までは暮れのGⅠ、来春のクラシックを左右する出世レースだった札幌2歳Sだが、近年はやや好走馬がその後で尻すぼみになる傾向がある。これは、北海道開催全体が縮小されつつあることで、以前ほどは北海道デビューの素質馬が多くなくなってきたということなのかもしれない。
とはいえ、今年も函館・札幌で勝ち上がった10頭と、東京・福島で勝ち上がった4頭の、計14頭のメンバーが揃った。良い勝ち方をしてきた馬、素質の高さを感じる馬も多く、今年はこのメンバーから来春の主役が誕生するだろうか。期待を持って見届けたい。
昨年の札幌2歳Sがゴールドシップ産駒のワンツーだったからなのか、目立つのがゴールドシップ産駒の5頭出し。その内2頭は東京、福島で早めに勝ち上がりながら札幌2歳Sに狙いを定めてきている。実際に、ゴールドシップ産駒は札幌2歳Sだけでなく洋芝のレース全体で好成績を残している。
札幌競馬の重賞はこれが最後。日曜日は新潟記念と小倉2歳Sが行われ夏競馬の締めくくりとなる。秋競馬はまず中山・中京の2場開催が4週続く。




1枠1番
ピンクカメハメハ
牡2/54.0kg 
武豊/森秀行
騎手厩舎連対率:47.6%
札幌芝:未経験 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.51.0
《期待値65%》

函館最終日の新馬戦を4馬身差で勝利した森秀行厩舎ピンクカメハメハ。鞍上の武豊騎手は小倉開催が始まってからは小倉での騎乗を基本スタンスにしていたが、先週はダイアトニックのために札幌入りし、今週はピンクカメハメハのために土曜のみ札幌で騎乗する。
新馬戦はハナを切って進めるも向正面で外からマクられる嫌な展開となったが、4コーナーで内から先頭を奪い返すと直線はそのままアッサリと突き抜ける形。能力の高さとともに精神的にドッシリしたところも分かるレース内容となった。
レース後は短期放牧を挟んで札幌競馬場に入厩。現地スタッフによると「1週前追い切りでスイッチが入り過ぎたので、その後は落ち着きをもたせるように工夫した」とのことだが、最終追い切りの動きはシッカリしており、調整は上手くいっているように見える。父が新種牡馬リオンディーズで、姉にスイープトウショウがいるという新旧融合の血統馬。2020年代の競馬に足跡を刻むか。


4枠5番
スライリー
牝2/54.0kg 
石川裕紀人/相沢郁
騎手厩舎連対率:17.0%
札幌芝:未経験 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.49.7
《期待値60%》

東京最終週の芝1800m戦で新馬勝ちを収めた相沢郁厩舎スライリー。首尾よく一戦で勝ち上がれたことで、2戦目に札幌2歳Sを狙うことが決まったが、新馬勝ちのコンビであり、相沢郁厩舎の所属でもある石川裕紀人騎手が札幌2歳Sに乗りに行きたいと手を挙げたところ、厩舎から「それなら札幌に滞在して厩舎を手伝ってくれ」と言われ、最終週のスライリーのために札幌全滞在となった経緯があるそうだ。
それだけ素質を買っている馬だけあって、石川騎手は「このくらいのメンバーなら勝ち負けになります」と強気。札幌記念で同じように自信があったブラックホールで大敗するなど、札幌ではあまり相沢厩舎の馬で結果を出せていないので表向きのコメントは控え目にしているが、スライリーだけは何とかしたい気持ちが強いようだ。
そのブラックホールで去年の札幌2歳Sを勝っている相沢厩舎×石川騎手。スライリーも「デビュー戦の時は成長途上という感じだったが、休ませて稽古の反応が変わってきた」と雰囲気は良い。2年連続の大駆けも。


4枠6番
バスラットレオン
牡2/54.0kg 
坂井瑠星/矢作芳人
騎手厩舎連対率:21.2%
札幌芝:1-0-0-0 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.51.3
《期待値65%》

札幌開幕週の新馬戦を2馬身半差で勝ち上がった矢作芳人厩舎バスラットレオン。そのレースは7頭立てで、ハナを切って前半1000mの通過が1分5秒台とかなり恵まれた展開ではあったものの、実は当時の関係者は「強い追い切りをやっていないので実戦に行っての不安が残る。今回は素質でどこまでやれるか」と、あまり自信を持っていなかった。その状況であの楽勝ならば、かなりの力を秘めていると考えていいだろう。
「前走はあんな追い切りでも33秒台の上がりで勝てた。相当奥が深そうな馬ですよ」と現地の関係者はバスラットレオンのポテンシャルを絶賛。「あの脚が使えるなら控える競馬でも問題はないし、仕上がりも初戦と比べれば格段に良い。今回結果を出してクラシックに乗せたい馬です」とのことで、引き続き注目だ。
鞍上は先週のキーンランドCで金星を挙げた坂井瑠星騎手。今回は所属の矢作芳人厩舎の馬への騎乗となる。矢作厩舎で広尾レースの馬だと2歳馬にカイザーノヴァがいて、こちらも坂井瑠星騎手が乗って函館2歳S5着→クローバー賞勝ちと結果を出している。


5枠8番
ユーバーレーベン
牝2/54.0kg 
戸崎圭太/手塚貴久
騎手厩舎連対率:25.0%
札幌芝:未経験 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.52.6
《期待値65%》

父は昨年の札幌2歳Sで産駒がワンツーを決めたゴールドシップで、兄には昨年の函館記念2着など洋芝実績のあるマイネルファンロンがいるという血統の、手塚貴久厩舎ユーバーレーベン。こういった面を加味してか、東京の新馬戦を勝った後はすぐに札幌2歳Sに向かうと決まった。初戦は不良馬場で末脚を伸ばして勝ち切っていて、最終週の洋芝も合いそうなイメージがある。
この中間は8月半ばまでビッグレッドファーム明和で過ごし、8月16日に札幌競馬場に入厩。放牧先では騎乗運動の他にゲート練習なども行なっており、マイネルの馬らしく緩んだ気配はない。入厩後はダートコースでの調教だとピリっとしなかったものの、芝での1週前追い切り、最終追い切りは力強く動けていて、陣営も安心していた。
戸崎圭太騎手は関屋記念をサトノアーサー、新潟2歳Sをショックアクションで制するなど夏の新潟で好調だが、土曜日はこの馬のために札幌へ。日曜日は再び新潟に戻って新潟記念に騎乗するが、そんな強行スケジュールでもユーバーレーベンに乗りに行くほど評価が高い。


7枠11番
ウイングリュック
牡2/54.0kg 
和田竜二/宮徹
騎手厩舎連対率:50.0%
札幌芝:未経験 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.49.8
《期待値60%》

芝1200mの新馬戦で3着の後、2戦目で1800mに距離を延ばすと5馬身差の逃げ切りと一変を見せた宮徹厩舎ウイングリュック。5馬身差というのは今回出走するメンバーの勝ち上がり時の着差といては最大で、それも2歳戦としてはハイペースの流れに自ら持ち込んで圧勝しただけに価値は高い。
「母(コスモフォーチュン)も上の兄弟(マイネボヌール、ウインベントゥーラなど)も短距離馬だったので1200mからデビューさせたが、この馬は父譲りのスタミナがあった。前走は強い勝ち方だったよ」と情報筋は高評価。1分49秒台の勝ち時計を持っているのもウイングリュックを含め3頭だけで、今回も強気に引っ張って後続をバテさせる形なら楽しみだろう。
鞍上は横山武史騎手から和田竜二騎手に乗り替わり。横山武史騎手は同じ「ウイン」のウインルーアに乗るが、これは選んだ、捨てたの問題というより、宮厩舎と和田竜二騎手の繋がりがあっての起用だろう。和田竜二騎手はテン乗りのウイングリュックのために、今週は土曜日だけ札幌入り。


8枠13番
ソダシ
牝2/54.0kg 
吉田隼人/須貝尚介
騎手厩舎連対率:26.7%
札幌芝:未経験 
芝1800m:1-0-0-0 
最高タイム:1.50.4
《期待値65%》

シラユキヒメからの牝系が広がり、今では毎年のように複数の産駒がデビューする日本の白毛馬事情だが、芝1800mの新馬戦を快勝した須貝尚介厩舎ソダシには、久々に白毛馬によるクラシック戦線での活躍という期待が掛かる。父クロフネ、母ブチコ、母父キングカメハメハ、母シラユキヒメということで、いわゆる金子血統でもある。
「新馬戦の内容が良かったし、そこからの上積みも大きい。今年はクラシック当確みたいな大物がいないし、十分勝負になりそうですよ」と現地スタッフは強気だったとのこと。須貝尚介厩舎はヴェローチェオロとの2頭出しだが、向こうは先週の新馬を勝っての連闘なので、元々期待していたのはソダシの方だろう。新馬戦の時には「ダート血統だけど力の要る洋芝なら」という話だったので、最終週かつ先週の競馬でだいぶ荒れたの札幌の芝はプラス。



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