アメリカジョッキークラブカップ

中山競馬場9日目11R
第61回
アメリカジョッキークラブカップ
芝 2200m/GⅡ/4歳上/国際/別定


【事前情報ランクM】


今年は出走12頭のうち9頭が重賞勝ち馬というメンバーで行われる伝統の中山GⅡアメリカジョッキークラブカップ。一昨年のグランプリホースであるブラストワンピースを筆頭に、コース実績豊富なミッキースワローとスティッフェリオ、明け4歳の有力馬ニシノデイジーとラストドラフトなど、楽しみなメンバーが揃った。
この時期に行われるトリッキーな中山2200mでのGⅡということで、このレースの好走馬がそのまま春のGⅠの主役に、というパターンはそれほど多くないが、昨年はこのレース2着のフィエールマンが次走で天皇賞・春を勝っている。今年もブラストワンピース、ニシノデイジーらが結果を残せば大阪杯や宝塚記念まで注目の存在となりそうだ。
一方で、多くの“中山巧者”が歴史に名を刻んできたのもAJCCというレース。マツリダゴッホやエアシェイディの勝利がもう10年以上前のことというのには驚いたが、昨年の勝ち馬シャケトラのように、中山で実績を残している馬には人気薄でも注意する必要がある。
昨年から続いてきた中山開催は今週で一旦締め括り。来週からは今年最初の東京開催がスタートする。開幕週の根岸Sは例年以上にフェブラリーSに繋がりそうなメンバーが揃う予定で要注目だ。




1枠1番
ウラヌスチャーム
牝5/54.0kg 
ミナリク/斎藤誠
騎手厩舎連対率:30.0%
中山芝:1-3-0-0 
芝2200m:1-1-0-1 
最高タイム:2.14.1
《期待値65%》

昨年は愛知杯→中山牝馬Sというローテーションだった斎藤誠厩舎ウラヌスチャームが、今年は牡馬相手のGⅡであるアメリカジョッキークラブカップで年明け初戦を迎えることとなった。関係者によると「今年の愛知杯は小倉開催だったし、牝馬同士で戦える点よりも、中山コースとの相性の良さを優先した」とのことだ。先週の京成杯もスカイグルーヴの参戦で「京成杯を牝馬が勝てば34年ぶり」と話題になっていたが、AJCCも牝馬が勝つと29年ぶりの快挙になる。
鞍上は昨年の中山牝馬Sでコンビを組みハナ差2着という結果だったフィリップ・ミナリク騎手。来日から3週で2勝と他の短期免許外国人騎手と比べると結果は残せていないが、ウラヌスチャームに関しては昨年悔しい2着だったこともあり、並々ならぬ意欲で臨んでいる。2週連続で追い切りに乗って感触を掴み、「牡馬相手で勝ち負けはどうかも、良い競馬は出来ると思う」と評価していたそうだ。
この後は順調なら中山牝馬Sに向かうことが決まっており、「今のところそこでもミナリクを乗せることになっている」とのことだが、今回の2200mは昨年のこの時期に準OPで牡馬相手に勝った舞台。単なる叩き台とは思わない方が良いだろう。


2枠2番
ラストドラフト
牡4/55.0kg 
マーフィー/戸田博文
騎手厩舎連対率:40.0%
中山芝:1-0-0-2 
芝2200m:未経験 
《期待値60%》

2020年の競馬が3週間経過し、5勝を挙げて美浦リーディングのトップに立っている戸田博文厩舎。今週も土日で8頭を使い、いくつかは勝てそうなラインナップだが、やはり一番気合が入っているのはマーフィー騎手を乗せて重賞に臨むラストドラフトのようだ。
前走の中日新聞杯は復帰2戦目でデキが上向き、能力の高さを改めて示す2着好走。「抜け出してからフワっとしたところを外から差されてしまった」というレース内容で、勝ちに等しい走りだった。前走後は在厩のまま調整を進め、「オクトーバーSを使った後よりもこの中間の方が上積みは大きい」と状態面はさらに上昇。マーフィー騎手も2週続けて追い切りに乗っており、1年ぶりの重賞制覇へ満足な態勢は整えてきた。





3枠3番
ミッキースワロー
牡6/56.0kg 
横山典弘/菊沢隆徳
騎手厩舎連対率:23.8%
中山芝:2-2-0-2 
芝2200m:2-2-0-1 
最高タイム:2.12.3
《期待値65%》

「菊沢師も、久々に乗るノリさんも、共にかなりの手応えを感じているようだよ」と、このグループに親しい情報筋から強気なプッシュ。ミッキースワローが得意の中山に向けて万全の態勢を整えてきたようだ。
「福島記念の後は放牧を挟んでこのレースを目標の調整。前走はさすがに58.5キロが堪えたし、2走前のオールカマーは超スローで展開不向き。それでも馬券圏内には走っているように、GⅠ以外なら常に勝ち負けになる力がある馬です」と陣営も前向き。「1週前追い切りで気持ちの入った走りが出来たので、直前は軽めで済ませることが出来た。仕上がりは十分です」とのこと。
「有馬記念は意図的にパスしてここまで待ったんだから、結果が求められる」とは厩舎筋の関係者の談。3~4歳時は果敢にGⅠに挑戦していたが、昨年は結局GⅢとGⅡしか走らなかった。改めて大舞台に向かう自信を付けるべく、ココでもう一つタイトルが欲しい。


6枠8番
グローブシアター
牡6/56.0kg 
石橋脩/角居勝彦
騎手厩舎連対率:0.0%
中山芝:0-0-1-2 
芝2200m:1-0-0-1 
最高タイム:2.14.7
《期待値55%》

見た目には1年ぶりの復帰戦という形の角居勝彦厩舎グローブシアターだが、実は雹で中止になった昨年5月のメトロポリタンSに出走予定で、そこが中止になった後で目黒記念にスライドするも、空輸送の疲れで状態が落ちてしまい態勢が整わず回避→放牧という出来事があった。メトロポリタンSの時は返し馬まで終えたところでの中止なので、そこから数えれば7か月。“1年ぶりのレース”という雰囲気ではない。
「休み明けでもキッチリ仕上げてきた」とのことで、依頼を受けた石橋脩騎手もかなり色気は持っている。ただし、メトロポリタンSの時に「レースを走った訳でもないのにかなり疲れていた」という話があったことや、ダイヤモンドSで結果が出なかったことを含め、「そもそも輸送がダメなタイプ」という話が出ている。当日の雰囲気は確認しておきたい。





7枠9番
ニシノデイジー
牡4/55.0kg 
田辺裕信/高木登
騎手厩舎連対率:25.0%
中山芝:0-0-1-3 
芝2200m:0-0-0-1 
最高タイム:2.12.1
《期待値65%》

2歳時に重賞を2勝し、3歳シーズンは弥生賞→皐月賞→日本ダービー→セントライト記念→菊花賞というザ・王道のローテーションでクラシックを戦い切った高木登厩舎ニシノデイジー。残念ながらいずれのレースでも3着内の好走を果たすことは出来なかったが、「強いメンバーを相手に競馬をしたことが必ず古馬になってから生きるはず」とはオーナーの西山茂行氏の言葉だ。
今回は菊花賞に続き、オーナー主導の人事で田辺裕信騎手との初コンビ。田辺騎手は2週前の追い切りに跨っており、「シュッと出て行かないのに掛かる」とのコメント。「乗り方の匙加減が問われるタイプだとあらかじめ分かったのは良かった。中途半端に位置を取りに行くとダメそう」と、関係者とともに作戦を考えているという。田辺騎手自身は中山のこういった条件は得意としており、この乗り替わりには期待したい。
「中山では着順こそ芳しくないですが、どれも道悪や展開の不利があってのもの。坂を登ってから良い脚を使えているし、本質的には合っているはず」と関係者。厩舎としても芝の王道路線で戦える貴重な素質馬だけに、明け4歳の初戦で何としても結果が欲しいと燃えている。





7枠10番
ステイフーリッシュ
牡5/56.0kg 
ルメール/矢作芳人
騎手厩舎連対率:50.0%
中山芝:0-1-1-0 
芝2200m:1-1-0-0 
最高タイム:2.11.0
《期待値60%》

今回は中谷雄太騎手からルメール騎手に乗り替わる矢作芳人厩舎ステイフーリッシュ。前走のチャレンジCはGⅢに限れば共同通信杯以来の2桁着順で、中谷騎手自身も「後ろを待ち過ぎた」と認めているように、騎乗ミスによって不利を受けたことが原因。そのミスに加え、直線で不利を与えた相手が同じオーナーのギベオンだったことも不興を買ってしまったのか、この乗り替わりは明確に“クビ”ということのようだ。
ルメール騎手は最終追い切りに乗って特徴を掴み、「かなり自信を持っている感じだった」とは厩舎筋からの報告。「前走は力を出し切れなかったが、本来はGⅠ以外なら常に上位争いが出来る馬。今回は鞍上強化だし、自分で動く形なら勝ち負けまで持ち込めると思う」と陣営は自信がある様子。中山は経験が浅いが、ホープフルS、中山金杯でどちらも好走している。





8枠11番
ブラストワンピース
牡5/57.0kg 
川田将雅/大竹正博
騎手厩舎連対率:33.3%
中山芝:1-0-0-0 
芝2200m:未経験 
《期待値65%》

凱旋門賞以来の復帰戦となる大竹正博厩舎ブラストワンピース。一昨年のグランプリホースがAJCCからの始動となるのは異例だが、ブラストワンピースは3歳の頃からこれまでの常識からすれば異例のローテで走り続けてきた馬。今回は「あの馬場で凱旋門賞を走ったのでダメージがあった」「AJCCなら有馬記念勝ちから1年経つので57キロで出られる」「有馬記念にはフィエールマンが出る」など、複合的な理由を勘案してココでの始動に決まったそうだ。
凱旋門賞に関してはフィエールマンやキセキと同様、日本馬にはあまりに厳しい馬場だったということで全くの参考外。帰国後はNF天栄でジックリと立て直してきている。「1週前の時点ではまだ重かったけど、今週でだいぶ動きが変わってきた」とのことだが、水曜の追い切り後で馬体重が555キロ。陣営としては「レースには540キロ台前半で出したいが、当日までにどこまで絞れるか」と考えている。
鞍上は札幌記念からコンビを組んでいる川田将雅騎手で継続。今回は東海Sのエアアルマスを蹴ってブラストワンピースに乗りに来ており、今年も引き続き川田騎手とのコンビで走り続けるということなのだろう。今週は川田騎手が美浦まで追い切りに乗りに来ており、「札幌記念を勝った時くらいの出来にある」と評価は上々だった。



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