京成杯

中山競馬場7日目11R
第60回
京成杯
ダ 1200m/GⅢ/3歳/国際/別定


【事前情報ランクM】


有力牝馬の参戦で盛り上がっている今年の京成杯。先週のシンザン記念も牝馬のサンクテュエールが制したが、マイル戦で桜花賞への関連性が強いシンザン記念と中山芝2000mで牝馬には無縁とも言える京成杯とでは、牝馬がいることの違和感が違う。もしもスカイグルーヴが勝てば1986年のダイナフェアリー以来34年ぶりの快挙なのだが、当時の京成杯は1600m戦だった。やはり、1月の2000m重賞に牝馬が出てくるのは、それ自体が異例だ。
ノーザン牝馬が人気の中心になる一方、2番手グループはゼノヴァースがパカパカファーム、ロールオブサンダーが千代田牧場、ビターエンダーが桜井牧場でヒダカBUの募集馬、キングオブドラゴンが社台F、ヒュッゲはノーザンF生産ながら金子オーナーの購入馬と、ノーザンFの力が及ばない馬ばかり。そもそも京成杯はクラシック路線の中距離重賞としては珍しく、ノーザンFが3年連続で落とすなど非主流の馬が活躍する傾向にある。
昨年から続いていた中山開催は来週で最後となるが、雨と雪の中で行われた土曜日の競馬を経て、一気に馬場状態が悪くなってきた。果たして京成杯がどういう決まり手となるか、一線級が揃う来週のAJCCに向けても見極めておきたい。




1枠1番
クリスタルブラック
牡3/56.0kg 
吉田豊/高橋文雅
騎手厩舎連対率:8.3%
中山芝:1-0-0-0 
芝2000m:未経験 
《期待値55%》

12月中山の新馬勝ちから果敢に重賞への挑戦を決めた高橋文雅厩舎クリスタルブラック。特に調教師がその素質と将来性を買っており、「春にはトライアルを使いたいのでココで2着以上が欲しい」と周囲にその期待を話しているそうだ。
一方で、厩舎スタッフや厩舎筋の関係者はある程度慎重な見方をしている。「デビュー戦は能力だけで走ったもの。まだトモは緩いし、走っていても軸がブレる。そういう状態で勝ってしまったので回復にも手間取ったし、京成杯じゃなくて、もう少しジックリ態勢を整えてから自己条件でも良かったのでは…?」と、その素質は認めつつも、今回の重賞挑戦は時期尚早なのではないか、という雰囲気。
とはいえ「精神面はしっかりしているし、稽古自体は相変わらずよく動いている」とのことで、現状の能力は出せそうな感じ。もしもこの状態で賞金加算に成功すれば春はますます楽しみになるし、仮に結果が伴わなくてもこの情報を踏まえると次走以降も追い掛ける価値がありそうだ。





4枠4番
ロールオブサンダー
牡3/56.0kg 
松山弘平/橋口慎介
騎手厩舎連対率:26.2%
中山芝:未経験 
芝2000m:2-0-1-0 
最高タイム:2.02.3
《期待値60%》

新馬→紫菊賞を連勝し、京都2歳Sでは上位2頭には水をあけられたとはいえ3着に健闘した橋口慎介厩舎ロールオブサンダー。今回は「これでダメなら、というくらいのデキにある」と、情報筋から状態の良さを強調する話が入っている。
「前走の京都2歳Sも凄く良かったが、今回は更に良い。スタッフだけでなく獣医なども触っていて『これは良い』と口を揃えている」と情報筋。「前走は馬体重がプラス20キロだったが、これは精神的に成長したから。夏までは運動の段階から汗ビッショリだったが、今はオンオフの切り替えが出来るようになり、飼い葉が実になるようになった。調教でもメリハリの効いた動きをしているし、今回は前走から中身がもっと良くなっている」とのことだ。
橋口慎介厩舎は開業4年目だった昨年にキャリアハイの24勝。「最初の2年は土台作りのつもりでやってきて、ようやくそれが結果に繋がってきた感じ」と、手応えを感じているそうだが、「父が獲った日本ダービーに出走し、そして勝つことが夢」と今年の抱負を語っており、その筆頭候補がロールオブサンダーだという。ならば、今回は2着以上でその夢へ前進したい。


5枠5番
キングオブドラゴン
牡3/56.0kg 
田辺裕信/矢作芳人
騎手厩舎連対率:0.0%
中山芝:1-0-0-0 
芝2000m:1-1-0-0 
最高タイム:2.02.1
《期待値60%》

関西の矢作芳人厩舎の管理馬ながら、福島→中山と転戦して初勝利を挙げ、前走後はすぐに京成杯を目標にしてきたというキングオブドラゴン。「前走なんかも鞍上が遊ばれている感じで、まだ本気を出していない。潜在能力はかなり高いと思う」と関係者はその素質を評価する。
この中間は短期放牧を挟んでいるが、調教では「反応が一段と良くなってきて、最後まで脚を伸ばせるようになった」と厩舎スタッフ。「物見したりフワフワしたりする面があるので相手が強くなって勝ち切るまではどうかも、これまでの内容から相手なりに走れそうな感触はあります」と、重賞でもトーンは悪くない。鞍上の作戦や腕も問われそうな雰囲気だが、乗り替わる田辺裕信騎手が一発を狙って乗れるか。


5枠6番
ゼノヴァース
牡3/56.0kg 
マーフィー/藤沢和雄
騎手厩舎連対率:50.0%
中山芝:1-0-0-0 
芝2000m:1-0-0-0 
最高タイム:2.00.8
《期待値65%》

先週のシンザン記念をサンクテュエールで制するなど、今年は既に4勝を挙げている藤沢和雄厩舎。この世代の3歳馬は既に11頭が勝ち上がっているが、未だに牡馬でクラシック路線向きの馬が出てきていないことが気になっているようで、「今週一番結果が欲しいのはゼノヴァース」と、親しい関係者に語っていたそうだ。これはあくまでも「勝てる可能性が高い」ではなく「勝って欲しい」という気持ちが強いということのようだが。
東京での2戦はどちらも33秒台の上がりを使うも届かないという結果だったが、中山に替わった前走で大きな前進。好位に付けて軽々と抜け出す形で2馬身半差の快勝を果たし、「距離やコースも合っていたのかもしれないが、スムーズに走れたことが良かった」と陣営。勝ち時計も高水準で、評価は高まっている。
「使いながら着実に良くなっていて、状態は前走より今回の方が更に上。実際に中山の2000mで勝っているのは強みだし、ほぼ1勝馬同士のレースなら勝ち負けになっていい」とのことで、十分に勝ち負け争いに加われる1頭と考えて良さそうだ。


6枠8番
ヒュッゲ
牡3/56.0kg 
和田竜二/友道康夫
騎手厩舎連対率:27.8%
中山芝:未経験 
芝2000m:2-0-0-1 
最高タイム:2.00.6
《期待値60%》

新馬戦こそ後方のままで終わってしまったが、逃げの手を打った2戦目からは2連勝と勢いに乗っている友道康夫厩舎ヒュッゲ。金子真人オーナーが1億円近い値で競り落とした良血馬で、サリオス、マイラプソディ、ワーケアらハーツクライ産駒が早くから活躍する“当たり年”で、そのクラシック候補の1頭に数えられていた馬が軌道に乗ってきた。
「特にハナにこだわっている訳ではないが、ここ2戦はそういう形で強い競馬が出来ている。初戦は後ろから差を詰め切れなかったので、逃げるかどうかはともかくリードを作って粘り込む形があっているのだろう」と関係者。「下見所ではテンションが上がるがゲート裏まで来ると大人しくなるように、競馬を分かっている馬。そういうタイプなので中山への輸送は心配していない」とのことだ。


7枠10番
ビターエンダー
牡3/56.0kg 
津村明秀/相沢郁
騎手厩舎連対率:9.1%
中山芝:未経験 
芝2000m:1-0-1-0 
最高タイム:2.00.3
《期待値60%》

デビュー前から相沢郁調教師が「ブラックホール(札幌2歳S勝ち馬)に匹敵するレベルの馬」と周囲の関係者に豪語していたというビターエンダー。新馬戦は3着に敗れたものの、折り返しの2戦目を3馬身差で圧勝してその能力を示し、レース後はソエの治療のため放牧に出しつつ、すぐに「年明けの京成杯を目標にやっていく」と決まった。
帰厩は12月12日と少し早かったが、これは「年内は手元に置いてソエや骨瘤の状態を見極めたかった」という考えによるもの。年明けまでは強い追い切りは行わず、在厩でカルシウム剤の投与やレーザー治療を行いながら慎重に乗り込んでいた。
この工夫の成果で、1月3日の追い切りは津村騎手が「凄く良くなっています。前走よりもしっかりしてきたし2週前でこれだけ動けば充分」と絶賛する好内容。その後も順調に仕上げてレースを迎えることが出来ている。「不安のない状態でレースに送り出せるのは何より」とのことだが、上位争いを演じる力は秘めている。





8枠12番
スカイグルーヴ
牝3/54.0kg 
ルメール/木村哲也
騎手厩舎連対率:34.3%
中山芝:未経験 
芝2000m:1-0-0-0 
最高タイム:2.01.4
《期待値65%》

京成杯を牝馬が勝てば1986年のダイナフェアリー以来の出来事。そもそも1月の段階で牝馬が牡馬混合の2000m重賞を使うこと自体が稀で、過去20年間の京成杯を辿ってみても、牝馬は出走自体が20年で14頭しかおらず[0-0-0-14]。勝負になる可能性があった馬というのも2008年のリトルアマポーラ(2番人気4着)くらいしか見当たらない。
スカイグルーヴが京成杯を2戦目の舞台に選んだのは、どうやら牡牝がどうこうよりも、お馴染みノーザンファームの使い分けという面が大きいようだ。今年の京成杯に出走するノーザンF生産馬は3頭だけで、1頭が『天栄組』のスカイグルーヴ、もう1頭が『しがらき組』のディアスティマ(高野厩舎・サンデーR)、そしてもう1頭のヒュッゲは金子オーナーの馬でノーザンFの采配を受け付けない。ただ、スカイグルーヴが牡馬の候補を差し置いて『天栄組』の京成杯要員に選ばれたこと自体が凄いことと言える。
初戦の内容から能力の高さは歴然。今回は「気性が難しい血統なので、中間の調整からその点に注意しながら進めている」とのこと。また、「初戦は逃げて楽に勝ち過ぎたので、揉まれたり早めにプレッシャーを掛けられた時にどう対応するか」という話もあった。



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