シンザン記念

京都競馬場4日目11R
第54回
シンザン記念
芝 1600m/GⅢ/3歳/国際/別定


【事前情報ランクC】


アーモンドアイが勝ったことで、牝馬にとっての出世レースとして世間的にも一気に認知が広まったシンザン記念。以前は年始のGⅢということでメンバーも揃わず、クラシック本番とはあまり縁のないレースだったが、ノーザンFが目を付けて素質馬をGⅠとの使い分けで送り込んでくるようになってから、メンバーレベルもその後への重要度も大きく変わってきた。
今年はそのノーザンFの牝馬2頭が人気を分け合う格好。それを社台ファームの牝馬と、朝日杯フューチュリティSで掲示板に載った2頭が追い掛けるような勢力図となっている。
月曜日の中山では同じ3歳マイル重賞のフェアリーSも行なわれるが、春への関連性という意味では遥かにシンザン記念の方が重要だろう。果たして牝馬が桜花賞馬候補として名乗りを挙げるのか、それとも牡馬がサリオス、タイセイビジョンを追うマイル路線の雄となるか、少頭数ながら先々に向けて注目必至。







1枠1番
サンクテュエール
牝3/54.0kg 
ルメール/藤沢和雄
騎手厩舎連対率:48.1%
京都芝:未経験 
芝1600m:1-1-0-0 
最高タイム:1.34.4
《期待値65%》

ノーザンファームが有力牝馬の“裏”王道ローテとして位置付けているシンザン記念。ジェンティルドンナ、アーモンドアイのその後の活躍は言うまでもないが、昨年にしてもノーザンFが送り込んだ牝馬はパッシングスルー。シンザン記念では4着に敗れたものの、秋になって紫苑Sを制し、ノーザンFの評価に誤りがなかったことを証明している。
今年のシンザン記念に出走するノーザンFの生産馬は2頭だけ。どちらも牝馬でおそらく1・2番人気という形になる。違いがあるとすればサンクテュエールは『天栄組』の関東馬で、ルーツドールは『しがらき組』の関西馬ということ。どちらが牝馬クラシックの主役として名乗りを挙げるか、ノーザンF内の東西対決という雰囲気になっている。
サンクテュエールは藤沢和雄厩舎×ルメール騎手でキャロットFのディープインパクト産駒。前走のアルテミスSではリアアメリアの末脚に屈したものの、新馬戦同様の手堅い立ち回りで2着と、既に重賞での実績がある。
関係者は「結果は2着だったけど、新馬戦と比べて反応が素晴らしく良くなっていました」とアルテミスSの内容を評価。「センスが良くて能力も高いので今回も崩れるイメージはありません。牡馬混合戦でも勝負になるでしょう。もっとも、今回も敵は牝馬ということになりそうですが」と、変わらず自信がある様子だった。


4枠4番
タガノビューティー
牡3/56.0kg 
和田竜二/西園正都
騎手厩舎連対率:5.6%
京都芝:未経験 
芝1600m:0-0-0-1 
最高タイム:1.33.6
《期待値60%》

ダート戦の2連勝から挑んだ朝日杯フューチュリティSでは、一旦はまとめて馬群を飲み込むのではないかと思わせるようなド派手な外からの追い込み。強気に外を回した分か、最後の1ハロンで脚色が鈍って4着にとどまったが、勝ったサリオスとともに見ていたファンには大きなインパクトを残すレースぶりだった。
タガノビューティーの驚くべきところは、既に次走予定がダートのヒヤシンスSと決まっている点。関係者によると「春はケンタッキーダービーへの遠征を目標にしていて、今回の結果に関わらずまたダートに戻す予定と聞いている」とのことで、別の関係者は「まだまだレベルは違うけど、芝ダートにこだわらないのはアグネスデジタルのよう」と話していた。
芝を走れることは前走で証明したが、今回は舞台が阪神から京都に替わる。「今開催の京都は芝が秋から回復していなくて、良馬場でも道悪のように重くて時計も上がりも掛かる」という馬場傾向は芝ダート両刀のタガノビューティーには好材料だが、一方で「全体的に伸びないので外からだとなかなか差し込めないし、秋の後半に使っていなかったAコースの内側だけが少し良いのでとにかくラチ沿いの逃げ切りが多い」というのは不安要素。少頭数で内枠の今回は、これまでと違った立ち回りが出来れば面白いが…。


5枠5番
オーマイダーリン
牝3/54.0kg 
武豊/河内洋
騎手厩舎連対率:20.0%
京都芝:1-0-1-0 
芝1600m:1-0-1-0 
最高タイム:1.35.3
《期待値60%》

土曜日のメインレースをアイラブテーラーで制した河内洋厩舎と武豊騎手のタッグが、日曜日はオーマイダーリンで重賞獲りに挑む。新馬戦は2番手追走から3着に好走し、2戦目は一転して後方からの大外一気で快勝。関係者は「先行、差しのどっちでも結果が出せたのは大きい。レースセンスがあるタイプ」と評価しているが、厩舎としてはこの2戦の結果を踏まえて「溜めた方が良いタイプなのだろう」と、今回も差しに構えることを示唆していた。
この馬はオーナーの廣崎利洋氏(廣崎利洋HD)も「レッツゴードンキに次ぐ自分の看板馬に」と大きな期待を抱いている1頭。これまで、この勝負服は藤原英昭厩舎や梅田智之厩舎への預託が中心だったが、この馬に関しては「廣崎氏の初勝利のレースに乗っていたのが河内洋騎手だった」という縁で、初めて重賞・GⅠを狙えるレベルのこの馬を預かることになったという。もちろん、この経緯があるだけに河内師や厩舎スタッフも力が入っている。


6枠6番
プリンスリターン
牡3/56.0kg 
原田和真/加用正
騎手厩舎連対率:22.2%
京都芝:未経験 
芝1600m:0-0-0-1 
最高タイム:1.33.8
《期待値60%》

朝日杯フューチュリティSでは◎サリオスからの相手として「超大穴として取り上げておきたい」と主張の抜擢となっていた加用正厩舎プリンスリターン。16頭立ての15番人気、単勝は347.1倍と、世間的には完全に無視された存在だったが、序盤のポジション争いの失敗、4コーナーの不利、直線での接触と度重なる不利がありながら5着に健闘。馬券圏内に届かなかったのは悔やまれるが、情報で見出した人気薄の好走だった。
今回も鞍上はデビューから手綱を取る原田和真騎手。この中間も栗東に行ってこの馬の調教を付きっ切りで付けており、一部の関係者には「まるでプリンスリターン専属の調教助手のようだ」と揶揄されるほどだが、それも原田和真騎手にとっては騎手人生で最高レベルの未来が見込めるパートナーだからこそ。
「洋芝で走っているので今の京都の変な馬場も大丈夫。雨が降ればもっと良かったかもしれませんが」とは厩舎筋の関係者。「この頭数なら前目に付けられそうだし、前走はあれだけロスがあって5着なのだからマイルへの不安もなくなった」と、「もしかしたら…」という雰囲気だった前走と比べると、明らかにトーンが違っている。





7枠8番
カバジェーロ
牡3/56.0kg 
北村友一/橋口慎介
騎手厩舎連対率:20.0%
京都芝:未経験 
芝1600m:未経験 
《期待値65%》

有馬記念の裏の阪神で新馬勝ちを収め、中2週で重賞に挑む橋口慎介厩舎カバジェーロ。レースは1番人気の良血馬ダブルアンコールと最後まで競り合ってのアタマ差勝ちだったが、3着以下は3馬身半引き離しており、レベルの高い勝ち方だった。
今回注目すべき情報は、厩舎サイドからの「初戦は全く仕上がっていなかった」という告白。「正直、あの状態で勝てるとは思っていなかった。能力があることは分かっていたので、初戦はこのデキでも権利くらいは取って、年明けにこの馬で厩舎の初勝ちにしようというつもりだった」とのこと。
そんな厩舎の思惑を超えての新馬勝ちで、良い意味で予想を裏切られた厩舎サイドや関係者はトーンアップ。「そういう経緯なので2戦目の今回は上積み絶大。体のシャープさが初戦とは全然違う。使うレースは未勝利戦じゃなくてシンザン記念になったけど、それでも通用の期待はある」と、一発狙っている雰囲気だった。





8枠9番
ルーツドール
牝3/54.0kg 
川田将雅/藤岡健一
騎手厩舎連対率:60.0%
京都芝:未経験 
芝1600m:1-0-0-0 
最高タイム:1.33.3
《期待値70%》

シンザン記念はノーザンFの牝馬にとっても出世レースだが、藤岡健一厩舎にとっても「期待している馬はココで強い牡馬にブツける」と意識しているレース。2016年はジュエラーがシンザン記念2着から桜花賞馬となり、2018年もツヅミモンがアーモンドアイに続く2着に健闘した。
そして、ルーツドールは藤岡健一厩舎かつノーザンファームの生産馬としては初めてのシンザン記念出走。これには各関係者ともかなり気合が入っているという。
「初戦は稽古がモサモサしていて、厩舎の中でも走るかどうか意見が割れていた。それであの圧勝ですからね。フィエールマンの妹ですが父が変わって牝馬に出て、距離はマイルで大丈夫な感じ。2戦目の今回もビシっと仕上げた訳ではないけど、それはもっと大きなレースを狙っているから。今回は自信があります」と関係者は自信十分だ。
とはいえ、1戦1勝での重賞挑戦は試金石。あくまでも「勝てばGⅠ級」というレースであって、ノーザンFの牝馬が出てくれば問答無用に勝負になる訳ではない。ジェンティルドンナやアーモンドアイの裏で、牡馬に跳ね返されてクラシック路線から脱落した牝馬だって毎年いる。
それでも、今年のメンバーでここからGⅠに飛び立てるような“大物”の相があるのはルーツドールを置いて他にない、そんな気はするが…!?


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