函館記念
第55回
函館記念
芝 2000m/GⅢ/3歳上/国際/ハンデ
【事前情報ランクM】
過去10年の3連単平均配当が27万2769円。一言で“荒れるハンデ重賞”でお馴染みの函館名物だが、今年もその例に漏れず波乱の様相。そのローテは様々、さらに前哨戦となる巴賞組の着順が鵜呑みのできない昨今。いかにも格下のゴールドギアを除けば上下差4キロでしかないハンデも混戦模様を呈しており、今年も一筋縄ではいかないようだ…。
【!】
さて、その函館も佳境。次週はその函館を締め括る函館2歳Sが組まれているが、その過去には
◎ブランボヌールから【3万4290円的中】
◎ストークアンドレイから【5万0610円的中】
◎ファインチョイスから【3万0250円的中】
◎ステラリードから【1万1960円的中】
など、キャリアの浅い2歳戦こそ“情報”の重要性を示してきた世代最初の2歳重賞。そんな中、「今年は大変な事になりそうだぞ」とは現地からの報告あり!
さらに中京で行われる中京記念と言えば一昨年◎グランシルクから【2万2780円的中】をお届けしている事でもお馴染みだが、今年は何やら、「勝つのはこの馬しか居ないだろう」と、早くも確勝級の存在も報告されており、その次週を楽しみにお待ち頂きたい。
▲今週も現地(=函館)滞在筋は精力的に!
次週・函館2歳Sの情報で大きく盛り上がっているという
1枠1番
レッドローゼス
牡5/56.0kg
蛯名正義/国枝栄
騎手厩舎連対率:35.7%
函館芝:未経験
芝2000m:3-3-3-2
最高タイム:1.58.2
《期待値65%》
デビュー当初から評価が高く、3歳の春にプリンシパルSでも2着したほど。秋に大きな期待を描いていたが、今ひとつ勝ち切れないレースが続いたので、無理せずにジックリ育てて、古馬になってからの活躍を期待。しかし、堅実に走るもなかなか勝ち切れず。本格化したのは今年に入ってからの事だった。
前走で初のオープン勝ちを収め、満を持しての重賞挑戦となる。「牧場から1か月以上前に函館入りして、このレースを目標に十分乗り込んでジックリ仕上げました。先週までは少し余裕のある感じもありましたが今週やって丁度よくなりました。小回り向きの器用さがあるし、ハンデ56キロでも楽しみですよ。あとはなるべく良い馬場でやりたいですね」と陣営。
鞍上蛯名騎手は今週この馬が唯一の騎乗馬となる。
管理する国枝栄厩舎と言えば、最近悲しい出来事があった。札幌日経オープンで復帰を目指ししていたタンタアレグリアが調教中に故障して安楽死処分がとられた。その無念をこの馬の重賞初制覇で晴らして、厩舎に明るい話題をもたらしたいところだろう。
2枠4番
マイスタイル
牡5/56.0kg
田中勝春/昆貢
騎手厩舎連対率:16.7%
函館芝:2-0-0-1
芝2000m:2-3-0-4
最高タイム:1.58.5
《期待値65%》
前走の巴賞、目標はあくまでも次のこのレースで多少余裕残しだったのは確かだが、その前に騎乗した横山典騎手の進言でブリンカーを着けて、それなりの競馬はできると踏んでいた。ところが、行く意思は見せるも外の馬が速く、中途半端な位置での競馬になったし、4角では下がってきた古川吉騎手のサトノフェイバーの影響を受けてしまい、手綱を引っ張る致命的な不利が影響して、全く力を出せなかった。
ただ、今年は賞金を持ってるので、函館記念への出走には影響がなかったし、前走の凡走でハンデが56キロにとどまったとも考えられる。
前走の下手乗りで今回の騎乗が危ぶまれた田中勝騎手だが、調教師の強力なプッシュもあり、コンビ続行が決定した。今週の最終追い切りは再び田中勝騎手が駆けつけて敢行。「体が絞れて、息の入りも良くなり、一度叩いた効果はあります。あとはスムーズに先行して自分の競馬ができれば、チャンスだと思います」と陣営。
鞍上も今回失敗したら、さすがに次はないとの危機感を感じている様子だった。
5枠9番
ポポカテペトル
牡5/55.0kg
岩田康誠/友道康夫
騎手厩舎連対率:28.3%
函館芝:未経験
芝2000m:1-0-0-3
最高タイム:1.59.9
《期待値65%》
前走の目黒記念が5.2秒差の12着。これは乗っていたミルコと川田騎乗パリンジェネシスが、道中やり合ってしまい共倒れ。「休みが長かった影響なのか、前半からハミを噛んでしまっていました。直線に入る時にはもう余力がなかったです。もともと目黒記念を使ってココが目標でした。あの一戦が良いガス抜きになりましたよ」と前向きの見方の陣営。
その後は一旦ノーザンファーム天栄に放牧に出た後、函館に入厩。「稽古では動かないタイプなので、遅れは気にしていません。跨った岩田騎手も、『掛かるところもなくスムーズで前走より良い』と良い手応えを掴んでくれまし。速い脚はないですが、タフな馬場でのスタミナ勝負は歓迎なので、洋芝の函館は合うと思います」とのことだ。中間は1ヶ月ほど腕利きが担当して、予定どおり順調にきており、初の洋芝でも怖い存在になりそうだ。
5枠10番
ステイフーリッシュ
牡4/57.5kg
中谷雄太/矢作芳人
騎手厩舎連対率:20.0%
函館芝:未経験
芝2000m:1-1-3-1
最高タイム:1.59.0
《期待値60%》
鳴尾記念の後は放牧に出して、一旦栗東に戻り、先週末に函館に入厩。「函館は初めてになりますが、環境にも慣れ、落ち着きもあり、輸送は無事クリアできました。以前はテンションが上がりやすいところがありましたが、今は大丈夫だし、そういう馬なので滞在競馬は合うでしょう。GⅠだと敷居が高いですが、GⅡ、GⅢレベルなら大崩れせず堅実です。57.5キロの斤量は少し重い感じはしますが、力をつけた今なら克服できると思います。稽古での感じから洋芝もこなせると思います」と陣営。
藤岡佑介騎手は、この日は名鉄杯のスマハマに乗りに中京へ行く事を早々に決めており、今回は中谷騎手に乗り替わり。栗東に移籍後に多大なバックアップを受けた矢作厩舎の馬で自身初の重賞制覇を狙う。
6枠12番
スズカデヴィアス
牡8/57.5kg
勝浦正樹/橋田満
騎手厩舎連対率:100.0%
函館芝:1-0-0-1
芝2000m:3-2-2-11
最高タイム:1.58.6
《期待値60%》
前走の巴賞は59キロを背負い、道中は最後方からの追走。しかし、先行激化の出入りの激しい流れにも助けられて、直線で大外一気の豪快な差し脚を見せて、鮮やかに勝利した。
「ド嵌りしたのはたしかですが、59キロを背負っていたし、元々叩き台の意味での出走でした。デキは今回の方が断然良くなっていて、思惑通りです。暑さに弱い馬ですが、函館は涼しくて過ごしやすい様です。今回はハンデが57.5キロになるし、前走同様に先行脚質の馬が多いので、同じ流れになれば出番はあると思います」と陣営。
担当はこの厩舎で数々のGⅠ馬を手掛けた腕利き。奥さんの細江純子さんも函館に来場との事なので、目の前で勝ちたいところだろう。
7枠14番
ナイトオブナイツ
牡6/56.0kg
池添謙一/池添兼雄
騎手厩舎連対率:15.8%
函館芝:2-1-0-2
芝2000m:0-0-1-4
最高タイム:1.59.1
《期待値60%》
『連覇を狙う』との勝負話をお伝えして本命推奨した前走の巴賞。先行馬にぺ―スを乱されずに自分の位置を守り、完璧な騎乗ができたが、勝ち馬にド嵌りしてしまい2着惜敗。
「自分から勝ちに行って、一番強い競馬をしましたが、相手の決め手が一枚上でした。中1週になりますが、うまくケアできて状態は良いです。あとは距離が1800mから2000mに延びるところだけですね。2000mではこれまで全く実績がないのは気になるところですが、道悪が残れば、他の馬が苦にする分、この馬には有利になりそうなので、そこでチャンスを見出したいです」と陣営。
1800mでは5勝・2着1回に対して、2000mでは3着が一度だけ。それを斤量と重馬場の巧拙でどこまでカバーできるか。
8枠16番
エアスピネル
牡6/58.0kg
福永祐一/笹田和秀
騎手厩舎連対率:0.0%
函館芝:未経験
芝2000m:0-0-1-2
最高タイム:1.58.4
《期待値60%》
5月初旬に栗東に帰ってきており、当初はエプソムCへの出走を目指していたが、調教の動きが一息という事でこのレースに変更。坂路とコースを併用して十分に乗り込んで、7月初めに函館に入厩。その後も順調に調整されてきた。
「今回は2000mという事を意識して調整しました。最終追い切りでもダートコースで負荷をかけましたが、ブランクを感じさせたい良い動きでした。ハンデも59キロを覚悟していたので、58キロならむしろ恵まれたと言えるでしょう。一昨年の札幌記念では5着でしたが、洋芝の適性は高いと思うし、揉まれない枠を引けたのは、この馬にとっては良いでしょう」と陣営。
鞍上の福永騎手は、当然この馬がメインで日曜日は函館で騎乗。札幌記念にはワグネリアンというお手馬がいるので、ここは何としても勝たせたいとの思いがある様だ。