葵S

京都競馬場11日目11R
第2回
葵S
芝 1200m/重賞/3歳/国際/別定


【事前情報ランクM】


オープン特別として行われていた葵Sが昨年から重賞に昇格し、今年が第2回。ファルコンSが中京競馬場の馬場改修に伴い1400m戦になってから3歳限定の芝1200m重賞は1つもないという状況が続いていたが、3歳馬の短距離路線の拡充を図る意図で重賞に格上げされた。3歳春というとクラシック路線かマイル路線が多くの馬の目標となってきたが、これでスプリンターにも世代同士の戦いの総決算となる舞台が用意されるようになった。
この格上げにより、以前は同格だった橘Sと葵Sの間に前哨戦と本番という関係性が生まれた。昨年は橘S3着から臨んだゴールドクイーンが優勝し、重賞葵Sの初代チャンピオンとなったが、今年も橘Sをステップに出走する馬が6頭いる。
昨年の勝ち馬ゴールドクイーンはその後ダート路線に転じて交流重賞を制覇。2着同着だったラブカンプーはサマースプリントの活躍を経てスプリンターズSで2着に好走するなど、初年度から活躍馬を輩出している。オープン特別時代にはナックビーナス、ティーハーフ、そしてロードカナロアといった後の重賞、GⅠ級が勝ち名乗りを挙げている。
今年以降もレベルの高いレースが続けば“短距離馬のダービー”などと呼ばれる日が来るかもしれない。当然今年も注目の一戦だ。




2枠4番
ドゴール
牡3/56.0kg 
津村明秀/黒岩陽一
騎手厩舎連対率:42.9%
京都芝:未経験 
芝1200m:未経験 
《期待値60%》

デビュー2戦目のサウジアラビアロイヤルCでは差はあったとはいえグランアレグリアの2着に好走した黒岩陽一厩舎ドゴールだが、その後はやや下降線。特に前走のファルコンSは「左回りの1400mはベストのはず」と気合いが入っていたにも関わらず見せ場すら作れなかったことで、陣営はこの馬の適性を根本から見直す必要に迫られた。
そこで選択したのが初めての1200m戦となる葵S。「1400mの2戦は流れに乗り過ぎてしまって脚が溜まらない面があった。この距離で少し置かれるくらいの方が最後にキレる脚が使えるのではないか」と関係者は変わり身を見込んでおり、津村騎手もこの馬のために京都まで乗りに来るなど、決して苦し紛れの距離短縮という雰囲気ではない。「朝日杯はレース中の不利が敗因なので、輸送自体は大丈夫です。間隔を空けたことで前走で減った体も戻っています」とのことで、レースで力は発揮できそうだ。


3枠5番
ジャカランダシティ
牡3/56.0kg 
アヴドゥラ/牧浦充徳
騎手厩舎連対率:50.0%
京都芝:0-0-1-0 
芝1200m:2-0-1-1 
最高タイム:1.09.9
《期待値60%》

ここ2戦は東京、中京の1400m戦を走って結果が出ていない牧浦充徳厩舎ジャカランダシティ。特に前走のファルコンSは好スタートを決めて陣営の思い描いた通りの位置取りとレース運びになったにもかかわらず13着という大敗だった。レース後には荻野極騎手から「良い位置に付けられたし、状態良く仕上がっていたので、これで最後に止まったのは距離だと思います」という感触を伝えられたことで、厩舎サイドも「ここ2戦の負けは距離と直線の坂が原因」と結論。その後は放牧に出して態勢を整え、現状の選択肢としてはベストの京都芝1200m、葵Sに照準を合わせてきた。
この中間は追い切り以外にコースでも乗っていることで「以前のガムシャラに走っている感じが解消してきた」とのこと。「リフレッシュ効果が大いにありそう。この仕上がりで1200m戦なら楽しみは大きい」と、陣営は巻き返しに向けて手応えを感じているようだ。1200mで唯一大敗した小倉2歳Sは大外枠で、外枠発走になったセプタリアンが隣に来て釣られて出遅れたのが敗因。普通にスタートして前走のようにポジションを取れれば。





3枠6番
ディアンドル
牝3/55.0kg 
藤岡佑介/奥村豊
騎手厩舎連対率:25.0%
京都芝:未経験 
芝1200m:4-1-0-0 
最高タイム:1.08.5
《期待値70%》

2~3歳馬、特にオープン級の活躍が見込める馬となると、GⅠレースは全てマイル以上の距離のため、本質的にはスプリンターと見込んでいる馬でも3歳春まではマイルに対応させようと調教を積み、レースを選択することが多い。マイル戦ではイマイチ弾け切れなかった3歳馬が古馬と戦うようになってサマースプリントなどで活躍するのはよくある光景だ。一つ上の世代で言えばダノンスマッシュが好例だろう。このレースも久々の1200m、初めての1200mという実績馬が見受けられる。
しかし、奥村豊厩舎ディアンドルはデビューから一貫して1200m戦だけを使い続けて4連勝という、割り切った方針で結果を出してきた。朝日杯FSやNHKマイルCどころか、1400mのファルコンS、橘Sなどにすら興味を示さずマーガレットSの後は葵Sまで待機。これは調教師自身が「この馬にはスプリンターの素質を十分に感じ取っていて、良さを最大限に活かすのであれば今後も同じ距離を中心に出走させていくのが良いと考えています」と語っている。
この中間も変わりなく順調といった雰囲気で、それならば5連勝の可能性も十分にある。ちなみに、葵Sこの馬がルメール騎手の騎乗予定馬だったが、「テン乗りでも上手く乗ってもらえる騎手」ということで藤岡佑介騎手が代役に指名されたという話。


4枠7番
アウィルアウェイ
牝3/55.0kg 
川田将雅/高野友和
騎手厩舎連対率:37.5%
京都芝:未経験 
芝1200m:1-0-0-0 
最高タイム:1.10.3
《期待値65%》

年明けの2戦が不本意な結果に終わってしまっている高野友和厩舎アウィルアウェイが、このタイミングでスプリント路線に舵を切ってきた。桜花賞後はNHKマイルカップに向かう予定で進めていたが、NFしがらきに放牧中だった4月中旬に関係者の協議により「予定していたNHKマイルカップはメンバーが強力で、この馬自身としても1200mの方がスムーズなレースが出来るはずなので」と、葵Sへの出走を決定。元々の予定よりも3週間の猶予が出来たことで、放牧の期間が延びてしっかりリフレッシュできたようだ。
「新馬勝ちは1200mだったし、1400mを走っていた時も常に折り合いが課題になっていた馬。桜花賞の負けは不利もあったし距離を考えても仕方のないもので、今回は巻き返しがありますよ」と関係者は前向き。一時期は牝馬クラシックの中心だった馬が、この春最後の一戦で名誉挽回となるか。





5枠9番
メイショウケイメイ
牝3/55.0kg 
古川吉洋/南井克巳
騎手厩舎連対率:18.4%
京都芝:2-0-0-0 
芝1200m:2-0-0-0 
最高タイム:1.10.6
《期待値70%》

1200m戦でデビューから2連勝している一方、マイルGⅠの阪神JFと桜花賞はともに2桁着順。1400m戦は紅梅Sを勝ちつつフィリーズレビューは5着止まりということで、明らかに距離によってパフォーマンスが変わっている南井克巳厩舎メイショウケイメイ。
フィリーズレビューの時には「マイルは明らかに長いので1400mの今回がメイチ」と言われていたくらいで、勝った紅梅Sもレース前は「1400mをこなせれば今後の幅が広がるが…」という話。陣営の感触としては完全なスプリンターであり、桜花賞後にこのレースを狙ってきたのは自然なところだ。半年ぶりの1200mに色気を持っている関係者は少なくない。





6枠11番
ディープダイバー
牡3/57.0kg 
藤岡康太/大久保龍志
騎手厩舎連対率:38.5%
京都芝:1-2-0-0 
芝1200m:1-0-0-0 
最高タイム:1.09.4
《期待値65%》

重賞に昇格した葵Sの前哨戦という立ち位置になった橘Sを勝ち、キャリア3勝目を挙げた大久保龍志厩舎ディープダイバー。デビュー以来掲示板を外したことがなく、馬券にならなかったのも2回だけという堅実派。そのうち一度は11番人気で5着に健闘した朝日杯フューチュリティSということを考えると、この世代の短距離路線なら上位の力を持つ1頭だと評価していいだろう。
安定感がある反面で勝ち切れないレースも多かったが、前々走、前走と連勝中。これは「左右のトモのバランスが良くなってきて、レースで内にササることがなくなってきた」というのが理由。さらに橘Sの時は「1200mで500万を勝ったレースが本当に良かったので、ベストはスプリント戦なのかも。だから今回は1400mに戻ることだけが懸念」と言われていながら勝ち切っており、今のデキで再び1200m戦となれば期待は大きい。


7枠13番
アスターペガサス
牡3/57.0kg 
福永祐一/中竹和也
騎手厩舎連対率:28.6%
京都芝:0-0-0-1 
芝1200m:2-0-0-0 
最高タイム:1.09.4
《期待値60%》

前走の葵Sがパッと見では不可解な大敗に終わってしまった中竹和也厩舎アスターペガサスだが、乗っていた小崎綾也騎手によると「行きたがっていて、見た目以上に折り合いを欠いてしまった」とのこと。直線は全く伸びずに流れ込んだだけになったが、勝負どころで消耗し切ってしまっていたのが敗因だったようだ。
とはいえ、大敗したのはこれがデビュー以来初めてのことで、レース前には厩舎サイドが「勝って葵Sに行く」と自信満々だったように素質の高さは確か。1200mに関しても新馬から函館2歳Sと連勝した距離で、このタイミングで改めて距離を縮めるのは規定路線とのことだ。「滞在が合っていたのでこの後北海道に連れて行くようならより楽しみ」という関係者の声があるが、今回も決して侮れない。


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