京都新聞杯

京都競馬場5日目11R
第67回
京都新聞杯
芝 2200m/GⅡ/3歳/国際/馬齢


【事前情報ランクMA】


2000年に開催が5月の京都に移ってダービーの前哨戦となってから、19回の施行を重ねてきた京都新聞杯。2000年のアグネスフライト、2013年のキズナと2頭の(共に本命で的中をお届けした)ダービー馬を輩出したレースだが、今年は“令和最初のJRA重賞”という意味合いを含んで行なわれる。
ダービートライアルの指定はないが、2着までが賞金を加算できるGⅡということで関西で行なわれるダービー最終便、旧京都4歳特別という位置付け。今年も皐月賞には出走したものの、このままではダービーに出走できないという馬が3頭も中2週で使ってきている。また、今年はダービーの出走ボーダーが高めで、現時点では収得賞金1500万と言われている。ゆえに、まだ1勝馬ではここで2着しても賞金的にはまだ怪しい情勢で出来れば勝っておきたいところ。もちろん、本番を見据えるならば余裕を持った勝利が必要になるが…。




1枠1番
オールイズウェル
牡3/56.0kg 
藤岡佑介/佐々木晶三
騎手厩舎連対率:42.9%
京都芝:1-1-0-0 
芝2200m:未経験 
《期待値70%》

立場的には1勝馬だが、これまでのレースでしっかりと能力の高さを証明し、今回も関係者から実績以上の注目を集めているのが佐々木晶三厩舎オールイズウェル。500万では黄菊賞でコスモカレンドゥラ(ホープフルS4着)の2着、年末の平場では一頓挫明けで正直五分程度のデキながらサトノルークス(すみれS勝ち)の2着、前走も内容的には間違いなく一番強い3着で、高いポテンシャルは見せている。
「前回は4角での不利が全て。あれがなければ当然もっとやれていた」と情報筋が振り返るように、前走は最内を走っていたことが響いて3~4コーナーで完全に進路が無くなり最後方まで後退。さらに直線に向こうというタイミングで横に並んでいた馬が外に膨れて鞍上が立ち上がる不利。直線に入ってからも馬群を捌けず大外まで持ち出さざるを得ず、阪神の内回りコースでそれだけの不利が重なりながら最後の1ハロンだけで先頭と5馬身以上差を詰めたのは驚異的だった。
2走前の毎日杯では6着にとどまったものの、「今年はメンバーが小粒だし、好位の内目で不利を受けずに立ち回ることが出来ればだいたい勝ち負けになる」と関係者は強気一辺倒。前走のことも踏まえて、今回はもう少し前目で運びたいようだ。


2枠2番
ヴァンケドミンゴ
牡3/56.0kg 
藤岡康太/藤岡健一
騎手厩舎連対率:16.4%
京都芝:未経験 
芝2200m:未経験 
《期待値70%》

皐月賞2着馬サンリヴァルの全弟という血統背景から、これまでは兄の功績を追うように中山にこだわったローテを組んで使われていた藤岡健一厩舎ヴァンケドミンゴ。しかし、なかなか2勝目を挙げられないまま皐月賞出走を逃し、皐月賞の前日に行なわれた山藤賞ではまともなら突き抜けていた手応えだったにもかかわらず、坂を登ったところで外の馬に進路をカットされる致命的な不利で4着。なかなか素質の高さに見合うような結果が出せていない。
今回は初めての京都コース。関西馬ながら関西圏での競馬自体が初めてという点からも厩舎のここまでのこだわりが感じられるが、周辺の関係者は「京都がダメなタイプだとは感じないし、外回りなら馬群もバラけやすいので前走のことはないはず」と前向き。「前走にしても結果は残念だったけど、差す競馬を覚えてきたのは収穫。馬自身は着実に力を付けているし、スムーズな競馬さえ出来れば重賞のココでも見劣らない」と勝ち負けへの期待を持っている様子だった。





3枠3番
ロジャーバローズ
牡3/56.0kg 
浜中俊/角居勝彦
騎手厩舎連対率:29.4%
京都芝:1-1-0-0 
芝2200m:未経験 
《期待値70%》

スプリングSは2番人気に推されていたが、「中間の挫跖の影響で仕上がりは芳しくなく、脚質やコースを考えると8枠を引いたのも厳しい」と不安視する声もあった。さらに、「中山に輸送してからテンションが上がってしまった」という厩舎サイドの話も。情報を踏まえれば7着敗退は仕方のない結果ではあるが、厳しい状況が重なった中での0.4秒差ならば地力は見せたと考えていいだろう。
今回はしっかり立て直し、改めてクラシック出走を目指す一戦。「普段の仕草から落ち着きが窺えて、状態は良さそうに見える」とのことで、「京都なら輸送の心配もないし、実際に結果が出ているので期待は大きいですよ」とトーンは上向き。福寿草特別で見せた力を再び発揮できれば勝ち負けの資格は十分にある。






3枠4番
ブレイキングドーン
牡3/56.0kg 
福永祐一/中竹和也
騎手厩舎連対率:27.3%
京都芝:0-1-0-0 
芝2200m:未経験 
《期待値50%》

クラシック路線で堅実なレースを続けて皐月賞にも出走した中竹和也厩舎ブレイキングドーンだが、そこでキャリア初めてとなる2桁着順に大敗。弥生賞は3着だったため皐月賞への優先出走権は手にしたものの賞金加算が出来ておらず、新馬勝ち+京都2歳S2着の収得賞金1050万円ではダービーへの出走が厳しいため京都新聞杯を使うことになった。
「皐月賞はスタートからの行きっぷりが悪くて、鞍上も『何が理由か分からないけど今日は全然進んでいかなかった』とクビをかしげていましたよ。切れる脚があるタイプじゃないし、時計の速い決着にも対応できず何もしないまま終わってしまった感じだでしたね」と関係者も皐月賞の負け方には納得していない感じだったが、今回はメンコとチークを着用して一応巻き返しを図る。





4枠5番
ナイママ
牡3/56.0kg 
柴田大知/武藤善則
騎手厩舎連対率:8.3%
京都芝:未経験 
芝2200m:未経験 
《期待値50%》

いわゆる“岡田軍団”の地方所属でクラシックを目指すというプロジェクトの元で走ってきたナイママ。この世代はアルママとともにクラシック候補のツートップという立場だったが、東京、中山で走った5戦は全て結果を出すことが出来ず、美浦の武藤善則厩舎に転厩して臨んだ皐月賞は10着。昨夏の北海道で稼いだ賞金ではダービー出走が危うくなってきたということで、京都新聞杯を使うことになったそうだ。ちなみに、アルママは青葉賞で15着に敗れている。
正直なところ関係者のトーンはレースを重ねるごとに落ちてきており、「2歳の夏は完成度と仕上がりで戦えていたが、季節が進むごとに良い環境、良い血統の馬に追い付かれている。ここから再逆転というのはどうか」という見解。陣営が期待していたのは「GⅠのペースを経験した後だし、今回は距離が延びるのでレースはしやすくなる」という点で、初の京都、初の2200mで機動力を活かしたいと考えているようだ。
ちなみに、“岡田軍団”の2歳馬で現状最も期待されているという話なのがゴールドシップの初年度産駒で小林英一オーナーと共有しているスペースシップ(母ジャズプリンセス・牡馬)。この時期から調教で驚異的な時計を出しているというのは昨年のこの時期のナイママと同じだが、スペースシップは美浦の国枝栄厩舎に預託するそうだ。


4枠6番
サトノソロモン
牡3/56.0kg 
アヴドゥラ/池江泰寿
騎手厩舎連対率:31.8%
京都芝:1-0-0-0 
芝2200m:0-0-0-1 
最高タイム:2.16.1
《期待値70%》

1番人気を裏切って大敗した大寒桜賞は、オフレコの事情があり全くの参考外。厩舎サイドは「本当の走りができれば絶対に前回のようなことはない」と巻き返しに燃えている。
前走時には「ハッキリと重賞レベルの馬」「勝つかどうかよりも、どんな勝ち方をするかが問題」「この後はトライアルを使ってダービー。そこまでは決まったようなもの」など、様々な関係者から非常に強気な話が次々と舞い込んでいた3億円ホースで、前走はまさかの敗戦となったものの、しっかり立て直して予定通りトライアルに進めてこられたのは何より。人気が落ちるようなら馬券的にも面白い1頭になる。


5枠7番
タガノディアマンテ
牡3/56.0kg 
松山弘平/鮫島一歩
騎手厩舎連対率:11.1%
京都芝:0-1-0-1 
芝2200m:未経験 
《期待値60%》

皐月賞から京都新聞杯に進んできた馬の中では再先着の6着だった鮫島一歩厩舎タガノディアマンテ。ここまでもクラシック戦線で堅実なレースを続けてきたが、賞金加算に成功したのはきさらぎ賞の2着だけ。現状ではダービー出走への賞金が足りないため京都新聞杯を使うこととなった。
「厩舎は『勝ちたい』と今回がメイチというムードでした」という関係者からの報告だが、これはダービーへの出走権が掛かっているだけでなく、「輸送に強くないので近場の競馬の方が力を出せる」という理由もあるようだ。1勝馬の多い今年のメンバーなら実績的には間違いなく上位。調教に乗った松山弘平騎手も「行きたがる面が課題ですが、勝ち負けになる乗り味は感じました。勝ってこの馬でダービーに行きたいです」と好感触。ランスオブプラーナが放牧に出たため気合いが入っている。


7枠11番
トーセンスカイ
牡3/56.0kg 
武豊/藤原英昭
騎手厩舎連対率:66.7%
京都芝:0-1-0-0 
芝2200m:未経験 
《期待値55%》

2歳の早い時期から「トーセンラーの初年度産駒ではコレが良いらしい」と評判になっていた藤原英昭厩舎トーセンスカイ。セレクトセールでは「トーセン」の島川オーナーが初年度産駒としては破格の5400万円で競り落とし、藤原英昭厩舎に預託した点からも期待の高さは明らかだった。
ただ、関係者の想像ほどは仕上がりが進まずデビューは年明け。サトノソロモンの2着となった後も陣営が「体力不足の現状でよく走った。まだまだこれからの馬なので先々が楽しみ」と話し、2戦目も2ヶ月間隔を空けた3月になるなど、春のクラシックには縁がないように思われていた。
しかし、再び2ヶ月間隔を空けてデビュー3戦目に選んだのは京都新聞杯。あくまで馬優先で堅実なローテを組み、クラシックにも強いこだわりのないこの厩舎としては驚きの選択だった。話によるとオーナーサイドから「ダービーを目指して欲しい」という要望もあったそうだが、使うからには陣営もそのポテンシャルに可能性を感じているということ。藤原英昭厩舎はカントル、ヴァンドギャルドらが思うように結果を出せず、武豊騎手もクラシックでコンビを組んできたファンタジストがダービーではなくNHKマイルCに出走することに。この馬で月末の東京に行ければ大きい。


7枠12番
レッドジェニアル
牡3/56.0kg 
酒井学/高橋義忠
騎手厩舎連対率:33.3%
京都芝:1-0-2-0 
芝2200m:未経験 
《期待値60%》

昇級戦のアザレア賞は4着までだった高橋義忠厩舎レッドジェニアルだが、「装鞍時に立ち上がるなどテンションが高かったし、返し馬でも左に逃げるような走りで力んでいた」と酒井学騎手が振り返るなど、敗因はテンションの高さにあった。レース直後は関係者も「今回は実力を出し切れなかったが、絶対に走る馬」と意気込んで青葉賞に挑戦させようと考えていたが、その後「ふだんからテンションの高い馬が、長距離輸送や初めての場所に滞在するとなるとレース前に消耗し、力を出し切れないままレースを終えてしまうかもしれない」と判断して京都新聞杯へのスライドを決定している。いずれにせよ言えるのは、厩舎サイドやオーナーが「状態面さえ整えば重賞でも勝負になる」と考えているということだ。


8枠13番
ヒーリングマインド
牡3/56.0kg 
池添謙一/松田国英
騎手厩舎連対率:28.6%
京都芝:0-1-0-1 
芝2200m:1-0-0-0 
最高タイム:2.14.0
《期待値60%》

2200m戦で初勝利を挙げると、続く2400mのアザレア賞も連勝。松田国英厩舎ヒーリングマインドは距離を延ばしてからグンと内容が良くなっている。「この時期になって前後のバランスが良くなり力が付いてきた」と厩舎サイドが語るように馬自身の成長もあり、勝った2戦はどちらも上がり最速。アザレア賞は「前残りの流れの中、内の狭いところを突いて抜け出した。あれは強い競馬」と関係者も高く評価している。
今回は舞台が阪神から京都に変わり、距離も1ハロン短縮して2200mとなるが、陣営は「今のデキなら重賞になっても楽しみの方が大きい」と強気。ゴドルフィンの馬でアイルランド産のタニノギムレット産駒という珍しい存在だが、京都新聞杯はタニノギムレット産駒がクレスコグランドとハギノハイブリッドで2勝を挙げている。父をダービーに導いた松田国英厩舎の手腕も頼りに突破したい。



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